以前にも書いたことがあるはずだが、近所に小学校がある。 私も卒業した小学校だ。 ここは夜でも門が開放されているので、私は深夜によく走らせてもらっている。 しかし、この夏はほとんど使えなかった。 いよいよ校舎の建て替え工事が始まったからである。 いよいよ、というのは前から告知はされていたからだ。 バックネットや鉄棒、雲梯などが撤去され、工事車両用の仮ゲートが作られた。 夏休み明けに合わせて、とりあえず工事は終了し、今は立ち入り禁止の鉄柵もなくなったが、おそらく近々本工事が始まるだろう。 私が卒業した頃から変わっていない校舎や体育館も取り壊される予定で、何やら寂しい気もしないではない。 しかしながら、新棟でも三十数年、古い建屋は四十年以上建て替えていないはずだから、それも仕方ないのだろう。 物事は感傷でどうにかなるものではない。 ただ、変わるのはなにも建物だけじゃない事にも気付いている。 この春先から深夜に学校に残っている先生がいなくなった。 以前は夜中の2時に行っても必ず電気がついていたのに。 この小学校には昔からリアル金八先生みたいな教師が一杯いたし、おそらく今でもそういう先生はいるだろうと私は思っていたのだが。 タイミング的に考えると、電通の自殺騒動が契機になったんじゃないか。 学校の先生は実質的にサービス残業させられている、というような批判記事をよく目にしたからな。 たぶん帰れと指導されているんだろう。 何十年も続いていた慣習が、ここまでピタッとなくなるのは不自然だからな。 今や教師の方にやる気があっても残業は許されない時代になった。 私は熱血教師が大嫌いだったからウェルカムなんだけれども、いなくなればいなくなったでやはり寂しい気はしないでもない。 歳を取ったせいか、人並みの感傷が私にもあるということか。 まあ、変わっていくものは仕方がない。 願わくば、新しい校舎が建っても門は開けっぱにしておいてほしいものだ。 深夜になると自動で閉まる門とか付けられたら私が死ぬ。 アスファルトの上を走るのは膝がしんどいのよ。 |