「もうパンツは履かない!」 凄い言葉である。 私はこの言葉を、「もう○○は××ない」というフレーズを発する度に思い出してしまうのだ。 そう、勝新が遺した「名言」である。 「迷言」などと書くのは失礼も甚だしい。 なぜこの言葉を急に思い出したのかというと、『シェンムーU』というゲームをプレイしていて、主人公のあまりの馬鹿さ加減に思わず「もう道は訊かない!!」と思ったからである。 ここでゲームの話を書いても仕方ないので、詳細は省かせていただく。 ただ誤解のないように書いておくと、そんなに悪い印象を受けているわけではない。 「もうパンツは履かない」 この言葉のどこら辺が凄いのかというと、自分がコカインをパンツに隠したにも関わらず、自分が悪いのではなくパンツというものが悪い、と言い切っているところがスゴイのである。 彼は自分が悪いことをしたなどと、まるで思っていないのだ。 思っていたら、この発想は出てこない。 おそらく、俺ぐらいのスターをお前等と同じ秤で量るなよ、ぐらいは思っていただろう。 そこには、ふてぶてしいまでの快活さがある。 あるいは自分自身への信頼というべきか。 この言葉を聞いたとき、私は大爆笑した。 彼の犯した罪を憎むよりも、その言葉を愛した。 もちろん、コカインを所持していたわけで、あまり賞賛してしまうとマズイのだけど、私はどうにもこの言葉が気に入っている。 「もうパンツは履かない」 人として生まれてきたからには、これに匹敵するぐらいの言葉を遺してみたいものである。 ちょっと思い浮かばないのだけれど。 <補足> 勝新太郎の「もうパンツは履かない」を知らない人っているんでしょうか? 10年以上前の話ですが、誰でも知ってるよね。 知らない人は調べよう。 |