「インスタントうどん」なんて、もう何年も食べたいと思わなかった。 今時のインスタントラーメンなんかに比べると芸がないのだ。 種類も限られているし、具に工夫も見られない。 カロリーが同じだったら、是非インスタントラーメンを食していきたい。 ところが、久々に食べた「うどんどん兵衛」は大変美味であった。 なにが旨いってお揚げが旨い。 何であんなに美味しいんだろう。 汁を吸ったお揚げの甘美なることこの上なく、私はこの1ヶ月ほど、ほぼ毎日のように「どん兵衛」を食していた。 もちろん、私が食しているのは大盛りの方なのだが。 私は毎日のように、このお揚げを眺め食しているうちに、ある疑問を持った。 お揚げがでかいのは嬉しい。 しかし、なぜこんなに大きいのか? 大きすぎるのではないか? 確かにうどんには芸がない。 そこを埋めるのが「大きなお揚げ」な訳である。 だがそれだけだろうか? 私は他の理由を探してみた。 そしてあることに気がついたのである。 お揚げが麺を押し沈めているのだ。 私たちはしばしばインスタントラーメンを食べるとき、上の方だけ麺が固い、という経験をする。 フライ麺はお湯に浮いてしまうのだ。 「どん兵衛」の麺は太いが故に、これは致命的な問題である。 待ち時間が5分に設定されていることからも、麺の太さが伺い知れるだろう。 そこで、お揚げの出番が来るわけだ。 どかーん、と麺全体をカバーするほどの面積。 これがお汁を吸うことにより、ぐっと麺を押し下げる。 それにより、麺の上の方までふっくらと汁が吸い込まれるのである。 つまり麺も美味しくなるのだ。 お揚げには隠された秘密があった。 お揚げが大きいには大きい故の訳がある。 この世の中の、なんと故あることかな!と私は叫びたくなるのである。 そして、また「どん兵衛」を食らうのだ。 |