お揚げの秘密

お揚げの秘密 2001_12_20

 

「インスタントうどん」なんて、もう何年も食べたいと思わなかった。
今時のインスタントラーメンなんかに比べると芸がないのだ。
種類も限られているし、具に工夫も見られない。
カロリーが同じだったら、是非インスタントラーメンを食していきたい。

ところが、久々に食べた「うどんどん兵衛」は大変美味であった。
なにが旨いってお揚げが旨い。
何であんなに美味しいんだろう。
汁を吸ったお揚げの甘美なることこの上なく、私はこの1ヶ月ほど、ほぼ毎日のように「どん兵衛」を食していた。
もちろん、私が食しているのは大盛りの方なのだが。

私は毎日のように、このお揚げを眺め食しているうちに、ある疑問を持った。
お揚げがでかいのは嬉しい。
しかし、なぜこんなに大きいのか?
大きすぎるのではないか?

確かにうどんには芸がない。
そこを埋めるのが「大きなお揚げ」な訳である。
だがそれだけだろうか?
私は他の理由を探してみた。

そしてあることに気がついたのである。
お揚げが麺を押し沈めているのだ。

私たちはしばしばインスタントラーメンを食べるとき、上の方だけ麺が固い、という経験をする。
フライ麺はお湯に浮いてしまうのだ。
「どん兵衛」の麺は太いが故に、これは致命的な問題である。
待ち時間が5分に設定されていることからも、麺の太さが伺い知れるだろう。

そこで、お揚げの出番が来るわけだ。
どかーん、と麺全体をカバーするほどの面積。
これがお汁を吸うことにより、ぐっと麺を押し下げる。
それにより、麺の上の方までふっくらと汁が吸い込まれるのである。
つまり麺も美味しくなるのだ。

お揚げには隠された秘密があった。
お揚げが大きいには大きい故の訳がある。
この世の中の、なんと故あることかな!と私は叫びたくなるのである。
そして、また「どん兵衛」を食らうのだ。









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