新聞はどんどん速報性を失っていく

新聞はどんどん速報性を失っていく 2018_06_29



行きつけの台湾料理屋にランチを食いに行ったところ、中日スポーツが空いていた。
これはラッキーだと思った。
昨日はサッカー日本代表が決勝トーナメント進出を決めたところだし、普通なら先客に取られていてもおかしくはないはずだから。

ところが、いざ中日スポーツを読んでみると、いきなり1面の右端に「前半0−0」という見出しが出ていた。
前半?って思うじゃん。
そうなんだよ。
〆切りの段階で前半しか終わってないから、結果もインタビューも載せられないの。
確か前半が終わったのが24時前でしょ。
試合終了が24時50分ぐらいだったかな。
スポーツ新聞なんだから、それぐらい〆切りを遅らせればいいじゃん!と私は思うのである。
明日の新聞に詳細を載せても、誰も喜ばないでしょ。
昔はもっと融通が利いたような記憶があるんだけどな、新聞って。
国会が深夜に採決するとかで、〆切りをギリギリまで延ばした事があったような・・・。

しかし思い当たるところはある。
近所にローカル新聞の配達所が出来た。
角地で長年誰も使ってなかった小さなスペースに。
もちろん私は新聞など取ってはいないのだが、近所だから様子は分かる。
深夜にランニングしてると、トラックが新聞を運んでくるのに出くわすのだ。
大体2時ぐらいには運び込まれてくるな。
そして、2時半から3時ぐらいにはスーパーカブの走る音が聞こえてくる。
私はそれを聞くといつも、早いな、と思うのだ。
というのも、30年ぐらい前は4時から5時ぐらいだったから、スーパーカブの音が聞こえてくるのは。
私は中高生の頃、いったん仮眠してから深夜に起きて勉強していたので、よく知っているのである。(ホントはゲームしてただけだが)

これは想像だけれども、おそらく読者が減ったせいで、配達員ひとりが受け持つ範囲が広くなったのではないか。
そして、その分時間がかかるようなったから、早く出発しなければならなくなった。
それに伴い、新聞の〆切りも早くなったのだろう。
もう今は〆切りを延ばす余裕など新聞にはないのだ。

今どきはネットニュースだけしか読まない人が多いし、新聞を読むにしても電子版を読む人も増えている。
ただでさえ紙媒体の新聞を読む人が減っているのに、読む人が減ると配達効率が下がって、〆切りが早くなる。
そうすると速報性が更に失われて、益々読者を失っていく、という負のスパイラルに入っているようである。
新聞の未来は本当に暗いね。
少なくとも新聞配達は。
牛乳配達みたいに、そのうちなくなるんだろうな。


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