危険なタダ

危険なタダ 2010_05_13

 

このところ毎日のように民主党に都合の悪い記事を目にする。
Yahoo!などのいわゆるポータルサイトのトップに民主党を叩く記事が載っていない日はない、というか、載っていない瞬間を探すのが難しいくらいである。
私はそれ読むのが大好き。
チョー気持ちいい。
野党時代から何でも反対の姿勢が嫌いだったが、よく考えたら、民主党の支持母体は連合とか日教組とか私の大嫌いな連中なのだ。
早いところ政権崩壊して欲しいので、何でもイイから叩いていただきたいという気持ちである。

しかし、ホントに気持ちいい記事だなーと思いつつ、下へスクロールさせて配信元を見ると、ほとんどが産経新聞だ。
他の新聞社も概ね民主叩きに精を出しているけど、やっぱり気持ちいい記事を書くのは産経新聞。
全国紙では唯一と言っていいほどの完全右寄り新聞社である。
民主党を叩かせたら文字通り右に出る者はいない。
他の新聞社は風見鶏的に読者が喜ぶような記事を書いているだけだと思われるが、産経はちょっと違う気がするな。
もともと現政権とはそりが合わないだろうし、何かしらの力が働いているのかもしれない。

ところで、私がいつも読んでいた日経のHPが一部有料化された。
一部有料化、は間違いかもしれない。
一部が無料で、大半の記事は有料と言うべきか。
概ね事実を伝える記事は無料で、著作性がある記事は有料になっているようである。
今どきは紙の新聞が売れないから、別のところで儲けないといけないのだろう。
株で大儲け!ってな事になっていれば、払ってやろうという気にもなるだが、現実にはまるで儲かっていない。
払わざる者読むべからず。
私は大半の記事を読めなくなってしまった。
大変困ったことである。

だが、ちょっとまてよ。
新聞が売れなくなっているのは何も日経新聞だけじゃなくて、他の新聞も同じである。
むしろ経済新聞じゃない方がお金を出してくれる読者は減っているかも知れない。
もし他の新聞社も記事の無料提供を辞めてしまったら、これは大変なことになる。
簡単に世論操作できちゃうよな。
無料でもイイから読ませたい、という連中はいくらでもいるだろ。
例えば、諸経費込み込みで一人あたり年収1000万円・100人規模のネット新聞社を運営するのに、大雑把に言って年10億円あれば出来てしまう。
この数字は政党助成金なんかより桁が一つ小さい。
将来、朝日や読売なんかの、やや左からやや右を形成する中間的な大手新聞が有料化されたら、ますます偏向記事がポータルサイトのトップに躍り出るだろう。
偏向していればいるほど、お金の出所があるからな。

これは極めて危険なことなんだけど、だからといってお金を出して記事を読むかというと、読まないかも知れない。
私も今のところ払う気は無いし。
一体誰が言論の中立性を守るためにお金を出してくれるのだろうか。
中立を壊すために出してくれる人は一杯いるはずなのだが。


戻る