最近よく、NHKの「プロジェクトX」という番組を見る。 仕事から帰ってくると丁度始まるくらいの、私にとっては都合のいい番組である。 私はこの番組を見て、毎回のように涙ぐんでしまう。 もちろん感動してのことだ。 以前、VHSを世界統一規格にして、ビクターの潰れかかったVTR部門を立て直した某さんの話なんかは、ぐじゅぐじゅに泣いてしまった。(この話は大変好評だったらしく、その後特別番組が編成されたのだが、同じ話を聞いてまた泣いてしまった) この「プロジェクトX」という番組は、概ねビジネス・テクノロジー関係の偉大な事業・生産物に焦点を当てて、それに携わった人たちを描く番組だ。 人からモノを描くのではなく、モノから人を描くところが今までにない構成になっている。 非常に斬新な印象を持っている。 それに今はもう無くなってしまった、開発の余地のある時代の話を取り上げているところがミソである。 ほんの2〜30年前までは、ガッツがあればなんとかなる未開の地がいくらもあったのだ。 その辺が感動の呼び水となって、私を強く惹きつける。(おそらくそういう方は他にも多いのでは?) しかしながら、やっていることは実は従来と同じである。 偉大な結果から逆算して、感動的になるように前を演出するわけだ。 考えようによっては、日テレの「知ってるつもり」なんかと同じだと言えなくもないである。(くだらないコメンテーターは出てこないけど) そうはわかっていても、やっぱり私は見るのである。 どうしてだろうか? 本当は泣きたいのかも知れない。 そういえばこんな話がある。 その昔、講釈師が日本中を歩いて回っていた時代があったのだそうだ。 講釈師が話すのは三国志などの軍記物である。 序盤あたりはあまり人が集まらない。 ところが、関羽が死ぬところとか、出師の表の行になると、人がわんさかと集まってくる。 話の中身をちゃんと知ってて集まってくるのである。 そして泣くのだ。 人は泣きたい生き物なのかも知れない。 なんでかな。 <訂正 2000_11_22> どうやら「プロジェクトX」が取り上げる題材というのはビジネス・テクノロジー関連だけと限った話ではないらしい。 なんでもあり? それともネタ切れ? |