ナカータ

ナカータ 2004_06_02

 

TVのレポーターが海外へ行って街の人たちにマイクを向けると、「ナカータ、ナカータ」などと意味もなくカメラに向かって叫ぶ光景が繰り広げられる。
「おまえら、バカじゃねえの?中田しか知らねえのか。」なんて私なんかは思うわけだが、思いがけず自分が同じ立場にあることに気づかされることがあった。


働いていると、イヤでも当番が回ってくるのである。
懇親会なんかの。
時間がもったいないから平素飲み会なんかは避けているわけだが、自分が幹事に当たっていると逃げられない。
ホントに世の中というのはイヤなものである。

で、嫌々飲み会に出ていると、驚くべきことにスウェーデン人と話す羽目になったりするわけだ。
ス、ス、スウェーデン!?
幸いにして相手は日本語が話せるにせよ、話題に困ってしまう。
やはりここは相手のお国の話でもするしかないか、と思ったところ、スウェーデンについて私は何も知らなかった。
地理を選択していた高校生の時なら、何かしら思いついたはずなのだが、すっかり忘れてしまっていたのだ。

どうしよう?何か相手に好意を示さなければ!と思ったときに私の口から飛び出してきたのは「ケネットアンディション」だった。
「ケネットアンディション」というのは、元スウェーデン代表のサッカー選手のことである。
ワールドカップ・アメリカ大会の時だったか、こんな選手が一人おれば日本でも勝てるわな、と強く印象に残った選手だった。

自分で言ってみて驚いたのだが、これは「ナカータ」と同じだな。
全く同じ。
つまり、「ナカータ」とカメラに向かって叫んでいる外人の皆さんは、「私はあなた達に好意を持っています」あるいは「少なくとも害意はありません」と言っているわけだ。
私はそういうつもりだもん。

まあ、「こいつアホだな」と思われた可能性は否定できないが。


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