「こいつは美しい。 こりゃ来週は見逃せないぞ。」 と楽しみにしていたのに、番組自体が無くなってしまった。 そんなバカな・・・。 私がこのところ楽しみにしていた番組の名は「ブラックワイドショー」。 土曜日の深夜、日テレでやっていた、大きく斜に構えたワイドショーである。 ほとんど背中が見えていると言ってもいい。 私は最近見始めたばかりだったので、元々どういう番組だったのか知らないのだが、このところはほとんど北朝鮮情報番組と化していた。 北朝鮮の珍しい放送映像を拾ってきて、まじめに茶化すわけである。 やられる方はタマラナイが、見る分には面白い。 この「ブラックワイドショー」の特別企画で「ブラックラウンジ」という座談会があった。 これは、お昼のワイドショーなどに出てくる北朝鮮専門家を5人集めて飲み屋で座談会をしよう、というものである。 普段のワイドショーでは聞くことの出来ない話ばかりで、ものすごく面白かった。 中でも、私はこの座談会に出てくる「宮塚利雄教授」が大好きなのだ。 北朝鮮グッズ収集家として有名なこの山梨学院大学の先生はとても美しい。 何といっても彼は北朝鮮の人民とその文化が大好きなのである。 他の4人は研究対象として、あるいは報道対象として北朝鮮に詳しいだけなのだが、宮塚教授には愛があるのだ。 北朝鮮の人がどうやって暮らしているのか知りたい、と言うだけの理由で密入国してしまうなんて、ちょっと考えられない。(危険人物として正式な入国は拒否されるそうだ) そんな彼の北朝鮮への愛が垣間見られた一瞬が先日の番組の中にあった。 それは北朝鮮で開発されたという「ジャガイモ米」を試食したときの事。 他の4人が「まずい、まずい」と連呼するなかで、宮塚教授だけは「まずい」とは言わなかった。(どうやらホントにまずいらしい) その表情を伺うに「北朝鮮の人たちはこんなモノでもありがたがって食べるんだろうな」と思っているように見えた。 「そんなにまずくない」と主張した教授は、「そこまで言うんなら、先生全部食べてください」と反駁され、「私は食べますよ・・・。」と黙り込んでしまった。 馬鹿野郎!教授をいじめるんじゃねえ!と私は叫びたかったよ。 ところが、そこで「ブラックラウンジ」は終わった、唐突に。 私はてっきり来週続きがあると思って(前回開催されたときも続きがあったので)、半ば楽しみに、半ば心配しながら4月5日を迎えたのだが、なんと番組自体が終了していた。 番組の最後で「重大ニュースです。4月から北朝鮮がベルヌ条約に加盟します!」と叫んでいたのはどうやら、「もう北朝鮮情報を無許可で放送できないから番組は終了します」という意味だったらしい。 なんてこったい。 宮塚教授はあれからどうなったんだ? 知りたい! 勝手に終わるなよ。 宮塚教授が落ち込んでるんじゃないかと思って、心配になるじゃないか。 <語注> ジャガイモ米:ジャガイモを米のように加工したもの。蒸かしたジャガイモにコンスターチをからめて作る。番組で食べていたのは戦後間もなく日本人が考案したもの。北朝鮮のジャガイモ米とレシピを見比べてみると、大体同じようなものらしい。 宮塚利雄:山梨学院大学の教授。大学のHPによると、専門は経営学のようだ。北朝鮮を愛するあまり、命まで狙われているとのこと。お大事に。 ベルヌ条約:著作権に関する条約。北朝鮮がこの条約の加盟国となると、日本人(法人を含む)と同等に保護されることになるので、無断で映像を流すことは出来なくなると思われる。もっとも、「北朝鮮が加盟国になる」という部分がホントかどうかが判らない。 <尚> 本文中の会話は、極めていい加減な記憶です。 <後日談 2004_01_01> 特番のブラックワイドショーを見た。 宮塚教授はやはり美しいと思ったが、上に書いたことは違うかもしれないとも思った。 単に不味くないとホントに感じたのかもしれない。 |