どうしても死ぬ前にうどんが食いたかった。 いつも聴いているラジオによく出てくる大阪のうどん屋に行きたかったのである。 しかし、行ったらガッカリするに決まっている。 期待してるほど旨いわけがない。 いまどき、冷凍うどんとかメチャメチャ旨いからね。 100円で買える日清の冷凍「讃岐風うどん」とか麺が旨くてビックリするもん。 わざわざ大阪まで行く価値のあるうどんなんて存在するはずがないのだ。 そこで、大阪に行く別の用事を考えなければならなかった。 あくまでうどんを食うのはついで、という体裁をとる必要があったのである。 いま大阪で観光地を探すと、いの一番に出てくるのは海遊館だな。 海遊館とは世界最大級をうたう水族館だ。 やむを得ないから行くか。 もうちょっと時期が後なら、大阪城公園から造幣局あたりまでお花見という手もあったけど、思い立ったが吉日と言うしね。 いやしかし、海遊館はすごかった。 何がすごいって人が。 それも子供が。 みんな手に手に3DSを持って何かをしている。 無線でガイダンスがダウンロードできる上に、なんかイベントやってるらしく写真をバシャバシャ撮ってて、全然ガラスの前から離れてくれない。 しかも、その後ろに親が立ってるでしょ。 全然見えないよね。 子供押しどけて前には出られないしなあ。 子供は序盤から全力でガラスに張り付くので、後半にさしかかると少し空いてくる。 最大の見所であるジンベイザメの水槽なんかは割と見やすい・・・んだが、実はそれほど迫力があるわけじゃなかった。 建物の真ん中に巨大な水槽があって、それをらせん状に下りながら見学するんだけど、ジンベエザメはガラスの近くには来ないから。 むしろマンタの宙返りとかの方がまだ迫力があったな。 ダイバーがはき出す気泡の上でぐるぐる回るヤツ。 わざとガラスの近くでダイバーが泡をはき出すからね。 とはいえ、ずっとそこで見ているわけにはいかない。 後ろからどんどん人が押し寄せてくる。 週末に独りで行っちゃダメなんだよ。 独りだとじっとしてられないもんだから、一方通行をゆっくり前進しているうちに出口に到達してしまった。 ゆっくり見て回ると2時間ぐらい掛かるそうだけど、私は40分ぐらいで出てきちゃったな。 大阪まで行った甲斐があるかといえば、ちょっとどうかって感じだねえ。 うどんも案の定だったし。 しかしまた、部屋に閉じこもってゲームするより楽しいことってなかなか無いな。 私も死ぬ前にやれることやっとかなきゃっていつも思ってるんだが、何をしたら楽しいのか全く分からない。 何をしたら悔いの無い人生になるんだろうか。 <後日談 2012_04_12> 「はなまるうどん」に行ったら、麺がプリプリで驚いた。 汁はともかくとして。 うどんなんて普段食わないから知らなかったよ。 105円とかであれを出されては、既存のうどん屋はたまったもんじゃないな。 |