マッドサイエンティストの気持ち

マッドサイエンティストの気持ち 2004_07_17

 

私は省エネが大好きである。
世界はいま、エネルギー革命が先が、第3次世界大戦が先か、というような危機的状況にある。
省エネしなくていいはずがないじゃないか!
・・・なんてのは大げさにしても、省エネするに越したことはないだろう。

当然職場のエアコンの設定温度なんかも高めにしたいわけだが、これは凄く厭がられる。
人間快適さに慣れてしまうと、もう元には戻れない。
人間が一番快適だと思う温度は22度ぐらいだという話を聞いたことがあるが、ホントにそれぐらいの温度にしたがるのである。
何という愚かさだろう!と私はいつも辟易している。
残念ながら下っ端の私には設定温度の決定権はない。

可処分所得の消費行動は市場原理によって決定されるので、エネルギーを使うのはある意味自由だとも言える。
しかし、自分の懐が痛まないところでは消費行動は市場原理に左右されない。
だからこそ自分を律することが必要なのだ。
何でそんなことがわからないのだろう?
思わずため息の出る毎日である。

そんな日々を送る私に朗報が!
職場の電力使用量が契約量を超えると、罰則金が取られるらしい。
これがビックリするぐらい高くて払えないから、気温が高くなってくるとエアコンの設定温度を上げるように放送が流れるのである。
A Chance has come!
ここぞとばかりに私はエアコンの設定温度を高くするのだ。

ところが・・・・、そうするとまた人間のイヤなところを見ることになる。
「ホントによその研究室はエアコンの設定温度上げてるのか?」
「うちらみたいに節電してる研究室は他にないんじゃないか?」
「よそは絶対協力してないよ!」(←何故か断定)
「うちらも協力しなくていいんじゃない?」
なんていう発言が飛び交うのだ。
ホントに人間てのは愚かだな。

まあ、おそらくこういうのが標準的な人間なんだろう。
これは愚かな人類の縮図みたいなものなんだ。
マッドサイエンティストが「人類など滅んでしまえ!」と思う気持ちもよくわかるな。
いやー、ほんとにマッドサイエンティストでなくて良かった。

もっとも、テレビゲームで日夜遊んでいる私は、間違いなく真っ先に滅ぶべき人間の一人なのだろうが。



<後日談 2005_12_20>

冬場は冬場で暖房の使いすぎに腹が立つ。
夏場はエアコンの設定温度を22度とかにしているくせに、冬場は26度とかにしやがって。
コノヤロウ!キーッってなるね。

あの連中をどうやって説得したらいいのか。
事あるごとに言葉を尽くしているのだが、中々理解して貰えないな。

人間に自制を求めること自体が間違っているのかもしれないが、本当に人間というのはそこまで愚かなのか。
まだ私は諦めきれない。


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