いまにして思えば惜しかった

いまにして思えば惜しかった 2013_01_27

 

世間ではアンドロイドタブレットが流行っているらしい。
しかし、私には使い道が思い当たらなかった。
ノートPCがいっぱいあるから、移動する場所にはじめから置いとけば、そっちの方が便利だと思ったのである。
とはいえ、使ってみないことにはわからないこともあるだろう。
試しに、M704Sという胡散臭いアンドロイドタブレットを買ってみた。

使ってみると両面で驚く。
公表スペックの半分にも満たないバッテリー持続時間にも驚いたが、意外とまともに動くことにも驚いた。
驚きの程度でいえば、後者の方が大きいかな。
音声入力なんかは思いのほか精度が高いし、Google Playは素晴らしい。
昔のLinuxはアプリをインストールするのにコマンドラインから入れなきゃならなくて、なんでインストーラー作らないんだろ?ってずっと思ってた。
やっぱり金のあるところが責任を持って作ると違うね。
アプリの検索からインストール・アップデート・アンインストールまで一括して面倒見てくれて、Windowsの個別インストーラーより圧倒的に優れている。
なるほどアンドロイドが普及するわけだ。
iPadのシェアが低下したり、アップルの株価が下がったり、Windows8のインターフェイスが変わったり、Windows8Proのアップグレード版が異様に安く売られているのも、強力なライバルが生まれたからなんだろう。
これがタダってんだから凄いよ。
実際に触ってみると分かることもあるもんだ。

しかしいま思えば、PS3は惜しかったな。
確か発売当初はLinuxが使えたはずだが、いつの間にか使えなくなっていた。
プレイステーションってのは元々はWintel陣営に対抗するために作られたもので、ゲーミングではなく、コンピューティングを目指したプロジェクトだったと聞く。
PS3用のLinuxをフリーで公開し続けていたら、もうちょっと違う未来があったかもしれないのにね。
いわゆるエコシステムが回り始めれば、Cellの使い道も増えたし、開発も続いていたかもしれないじゃないか。
狙いは良かったのにな。
たぶんどこからも収益が上げられないから、儲かるビジネスモデルが構築できなかったんだとは思うけど。
グーグルだって、アンドロイド単体ではたぶん儲かってないだろうし。

結局、ゲームもOSもおんなじだな。
お金に余裕がないと何にも出来ない。
革新ってのはお金が生むんだよ。
なんだかんだいってアメリカから新しいものが生まれてくるのは、革新を目指す人や企業にお金が集まる仕組みが出来ているからなんだろう。
日本人技術者の職人的こだわりでどうにかなる時代は、残念ながら終わってしまった。


戻る