最後の一人

最後の一人 2004_07_21

 

最後の一人になりたい。
地球上で携帯電話を持たないで暮らす最後の一人になりたい。
それが私の願いである。

私はそもそも誰かと連絡を取ることがないので、ほとんど電話を必要としない。
私の電話代は基本料金を除くと月30円ぐらいである。
最もよく電話をかける相手は、宅急便の再配達を受け付けるお姉ちゃんかもしれない。

携帯を持たないのは、もともと必要がないので持っていなかったにすぎない。
しかし、これだけ世の中で携帯電話が普及してくると、逆に「よーし、一生涯絶対もたねえぞ!」と思うようになった。
歩きながら携帯でメール打ったりしてる連中を見ると、「ははは、お前ら携帯の奴隷だな」などと思って、携帯電話を持っていない自分が誇らしく思えてくるから不思議である。

最近は「携帯持ってない」と言うと、ビックリされることが多い。
「そんなんで暮らせるんですか?」と問われるのだが、今のところ特に困っていない。
ただ、最近は携帯を持っていることが前提のサービスもたくさんあるらしく、時々驚くことはある。
TSUTAYAのカウンターで「携帯で割引券ダウンロードできますけど?」と言われたときは、世の中そういう時代なんだなあ、と思ったな。

もう一つ驚いたのは、ゲームの謎解きに携帯のかな打ちが出てきたこと。
本編の中ではなく、おまけシナリオの中だったけど。
話の流れからして、すぐに携帯のかな打ちを縦横の数字で表したものだな、ということはわかるのだが、対応表がどうなっているのか私は知らないのである。
あれは驚いたな。
携帯でメールしない人は解けない。
インターネットで調べればすぐにわかることだが。

そういったことが起これば起こるほど、愉快な気持ちになる。
みんなが持っているものを持っていないというのは気持ちの良いものだ。
最後の一人になるまで頑張ってみたいものである。
ブッシュマンが携帯で連絡を取りながら狩りをする時代まで、私は生きられるかな?
それ以前に、仕事で持たされそうな気はしないでもないが。


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