先を越された

先を越された 2017_02_05

 

先日、WBSを観ていて、初めて見るCMに目も耳も釘付けになった。
それはサントリーの「こくしぼり」というチューハイ?のCM。
CMの中で深津絵里は「Moon River」を英語で歌い始めるのだが、すぐに歌詞が分からなくなり、適当に歌う。
私はそれを見て聴いて驚愕した。
やばいっ!先を越された、と。

私は以前から、一人で歌を口ずさむとき、歌詞を母音だけ合わせて一つの行に置き換えて歌う、という遊びをしばしばやっていた。
いろいろやってみたのだが、なんといっても楽しいのは「ら行」。
例えば、快傑ズバットのエンディング「男はひとり道を行く」であれば、
♪ろろろら〜りろり、りりろるる〜、ろろろら〜りろり〜るるろろら〜
と歌うのである。(もとの歌詞を書くと怒られるかもしれないから書かない)

ここで大事なのは書き出さないこと。
頭の中にある詩を即興でら行に置き換えていく。
間違っても全然構わないので、適当に気持ちよく歌うことが大切。
書き出したら全然面白くない。

これがなぜ楽しいのかはよく分からないのだが、ゲーム的な考え方を持ち込むのであれば、無理矢理説明できなくもない。
歌詞を変換するところに負荷をかけて、それを乗り越えると、音の出しやすいら行で歌うというメリットを得られるのだ。
しかも、歌詞が合っているかどうかを気にすることなく。
実際間違っていても、自分ではあんまり分からないから問題ない。
となれば、小さな負荷を乗り越えることによって大きな喜びを得るというビデオゲームの性質と同じだと考えられなくもなかろう。

一つ弱点があるとすれば、外国語に弱いこと。
二重母音なんかをどう処理すればいいのか、咄嗟には判断しかねる。
まあ、そういうときでも適当に歌っていただきたい。

私はこのことをどこかに投書でもしようかと思っていた。
誰も読んでいないここに書いても、誰にも伝えられないからな。
しかし、いざやるとなると面倒で、ずっと放置していた。

ところが、である。
CMの中で深津絵里は、分からない英語の歌詞を適当にら行で歌っていた。
英語だから、ホントに適当に当てはめているようだった。
これはもうダメだ。
完全に先を越された。
今からではどこにも投書できないよ。

まあしかし、ひょっとしたら、誰でも実はやってんのかな、これ。
ら行に置き換えるのが気持ちいいのは間違いないと思うんだよ。
もしそうだとすれば、投書してみたところで、箸にも棒にもかからなかったのかもしれない。


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