トレーニングルームでは厳しいトレーニングをする者が正義。 これは紛れもない事実である。 トレーニングルームに行く人間ならわかるはずだ。 隣できついトレーニングをやっている人がいると、つい自分もキツめの設定でやってしまう。 厳しいトレーニングができないなら、自分がいては邪魔なんじゃないか、と思うものだ。 これはスペース的に、あるいは人間関係的に狭いトレーニングルームであればあるほど感じるのである。 職場に小さなトレーニングルームがある。 これはもうすごく小さくて、ランニングマシンが2台とエアロバイクが2台置いてあるだけ。 しかも、半分は使い物にならなくて、事実上ランニングマシン1台とエアロバイク1台しかないのと同じである。 昨年の夏、私がこのトレーニングルームを使い始めた頃は、他の利用者をよく見かけた。 周期的に来ているのはF先生だけだったが、時折学生達も使っていたのである。 ところが、私とF先生でグイグイやっているうちに、他の利用者を駆逐してしまった。 器具が少ないから、真面目にやっている人がいると、来づらくなるんだろう。 トレーニングルームは今やF先生と私のふたりきりである。 先日、トレーニングルームへいくと、先にF先生がエアロバイクを漕いでいた。 それもグイグイ。 私もそれに釣られて、ついペースアップして走ってしまった。 すぐに苦しくなった。 ウォーミングアップを短めにしてスピードを上げたところ、思いのほか息が上がってしまったのである。 でも、隣でF先生がグイグイ漕いでいるから、ペースダウンするわけにはいかない。 ペースダウンしたら負けだ。 もうトレーニングルームには来れないような気がする。 F先生はかなり前から来ていた様子だったので、もう帰るかな、もう帰るかな、と思って様子をうかがっていたが、これがなかなか帰らない。 これは苦しかったな。 F先生が帰ってくれたときにはホッとした。 過度なトレーニングは命にもかかわるので、当然良くない。 まともなトレーニングジムにはトレーナーが常駐していて、初心者には特にマイペースでトレーニングするよう指導する事になっているものだ。 しかし、トレーニングルームでマイペースを保つというのはすごく難しいのである。 これはホント。 トレーニングルームの正義には逆らえない。 |