その時にはそれだけの価値があった

その時にはそれだけの価値があった 2024_09_19

 

一か月ほど前のことになるのだが、兄が入院した。
これには驚いたな。
だって、その4日前に会ったばっかりだったから、お盆で。
その時は元気そうだったのに。

お見舞いに行ったら、なんかもう今にも死にそうに思えた。
実はそうでもなかったのだが。
兄貴が死んだら私は天涯孤独の身だから、気が動転してしまった。
とにかく今自分にできることをやらなければ、という気になったな。

今やるべきことを考えていたら、大事なことを思い出した。
実家の相続登記をやっていない。
15年も前に相続したのに。
今年度から義務化される代わりに手続きが簡素化されるらしいから、今年度になってからやろうと思っていて、すっかり忘れていた。
よし、今すぐやろう!と思った。
さっそく私は法務局のHPを読むことにした。

ところが、これが上手くいかない。
前置きが長すぎて、手続きまで読み進められない。
それ以前に全然頭に入ってこないの。
気が動転しちゃってるから。
これはもう駄目だ、司法書士に任せよう、と思った。
当時作った遺産分割協議書はあるので、本来は簡単にできるはずなんだよ。
でも、この時の私にはとてもできそうになかったのである。

グーグルマップで家から近い司法書士事務所を検索し、HPが良さげな事務所に依頼した。
お見舞いに行った3日後のことだった。
その後音沙汰がないと思っていたら、3週間を過ぎたころに登録の連絡がきた。
義務化で法務局が混んでるのかと思ったら、協議書の修正で一回差し戻されたようだった。

司法書士に払った金額は登録手数料以外に税抜きで6万5千円。
土地以外に未登録だった建物も登録したせいで、当初に聞いていた額より少し高くなった。
まあ、でもあの時の私にとっては全然高い金額じゃなかったな。
それだけの価値はあった。
やるべきことをやった気になれたわけだから。
いまになってみると、自分でやればよかったと思わないでもないのだが。


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