一週間も前の話だが、ドナルド・トランプが次期アメリカ大統領に選出された。 戦況が明らかになったときには、もうこの世の終わりかと思った。 しかし私はいま、トランプいい奴じゃん、全然大丈夫じゃん、という気になってきている、日増しに。 プロレスで悪役をやる人に悪い人いないもんな。 むしろ大好きと言ってイイかも。 結局、自分に都合のいい状況を作ってくれる人が自分にとっていい人なんだな。 つまり私に都合のいいことが起こったのである。 大統領選挙の投開票前、私は保有する株式のポートフォリオを変えようと思っていた。 余りにもメガバンク株が多すぎる。 もっと違う業種の株式に分散させるべきだった。 今年はマイナス金利にやられて、さすがに懲りたわい。 そこで、配当収入+益出し+損切り=0になるように、メガバンク株を一部処分しようと企んだ。 税金払いたくないから。 具体的には、下記のような皮算用であった。 11月8日(日本時間9日) 大統領選をヒラリー勝利で無事通過。ドル円・株式市場共に微上げ安定。 11月14日 メガバンク3社中間決算発表。無難な内容になるはず。 同時に自社株買い発表。希望的観測だが、三菱UFJはあり得る。 11月15日 三菱UFJ爆騰。それにに引っぱられて他2社も上昇。 程々上昇したところで、損益ゼロになるように決済。 しかし、このプランはいきなり頭で躓いた。 トランプが勝ってしまったのである。 日本の市場が開いている時間に開票状況が明らかになったため、日本の株式市場は暴落した。 私には打つ手がなかった。 ところが、夜になって米国市場が開くと状況は一変する。 トランプが大きな財政出動を行うであろうとの見込みから米国債金利が上昇した。 金利の上昇は米国債価格の下落を意味し、逆に株式相場は上昇。 一方で日本国債の金利はほとんど動かないから、日米金利差に連動して、ドル円は急上昇。 翌日の日本株式市場は一転して急反発した。 その後更に、米国の銀行規制が緩和されるとの思惑が拡がると、米国だけでなく、日本の銀行株も上昇した。 そして向かえた11月14日。 事前の報道どおり、メガバン3社とも無難な中間決算が発表された。 更に狙いどおり三菱UFJの自社株買いも発表。 翌15日もメガバン株の上昇は続いた。 私は皮算用どおりに売買を終えたのである。 なかなかこんないい話は世の中ないよ。 ホント日に日にトランプのことが大好きになっていきます。 こういう体験をすると、日本で起きていることも理解できるようになる。 日本のメディアのみならず、多くのエコノミストからもアベノミクスはもう終わりだ、みたいな論調をよく耳にするけど、実際には安倍政権の支持率は酷く高い。 とすれば、潤ってる人が多いんでしょ、きっと。 実際問題として、賃金は上がってるのに物価は上がってないから、生活は楽になってるはずだし。 たとえ将来破綻するとしても、いまが良ければそれでいい。 それも民主主義なのかもしれんよ。 |