正直者

正直者 2001_07_30

 

アメリカ合衆国・初代大統領ワシントン氏を象徴する逸話が今に残されている。
子供だったワシントンは貴重なサクラの木を斧で切り倒してしまったが、それを隠さなかったというものである。
つまり彼は正直者だった、ということである。
これは良い意味での逸話だ。
正直者は時に愚直とも言われるが、概ね世間では美徳とされるのである。

さて、いま私はメモ帳で文章を書いている。
幸いにして文章を書いている途中でPCが落ちたことはない。
ハードディスクごと昇天したことはあるが・・・。
実際、文章を書くというのは意外と時間のかかるもので、毎日時間がない、時間がない、といっている人間にとってアプリが落ちるなどは許すべからざる行為なのだ。

いま仮に、仕事でデータを打ち込んでいるとしよう。
セーブする前に、誰かがコンセントに足を引っかけてデータが消えた、なんていうことになったらどうだろう?
打ち込んだデータの量にもよるだろうが、なかなか「ごめん」では済まない。
しかしながら、おそらく「いいよいいよ」といいながら、血管を浮かび上がらせて微笑むことになるだろう。
なにせ相手も人間であり、それが職場仲間であった日には、今後の関係も考慮せざる得ない。

今日、私は「Office XP」のCMを見た。
なんでも落ちると「申し訳ございません」と謝るんだそうである。
CMでは、ちゃんと謝ります、と言っていた。

謝られても・・・ねえ。
コンピューター如きに気を遣って微笑まねばならないのだろうか?
「Never mind」
教えてよ、正直者のビル・ゲイツさん。




<本当は・・・>
あのCM、結構気に入った。


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