野生との戦い <後編>

野生との戦い <後編> 2020_12_31



鳥との戦い、といっても全部の鳥と戦う必要はない。
小さいヤツはイイんだ。
よく見かけるメジロなんかは全然気にならない。
体が小さいから糞も小さいし、色鮮やかだし、鳴き声も小さいんだ。
問題はデカいヤツ。
ネットで調べた限りでは、彼奴はヒヨドリ。
大きさといい、色といい、うるさい鳴き声といい、評判の悪さといい、全てがヒヨドリと一致している。
デカいから糞もデカいし、超うるさいし、可愛い小鳥たちを追い払って花の蜜を独占しようとする嫌われ者だ。
奴らを物干し台から遠ざけたい、というのが私の切なる願いであった。

実は既出の猫避け装置と全く同じものをもう1個買った。
これは鳥向けの周波数にも変えられるのだ。
猫対策において、バッテリーのもちを確認するために3日ほど庭に置いておいたら、鳥にも効果があるような気がしたのである。

しかし、鳥はいろいろ難しい。
というのも、小さいから赤外線センサーが反応しづらいのだ。
出来るだけ近いところに設置してやろうと物干しにぶら下げておいたら、風で揺れて誤作動しまくった。
バッテリーが全然保たない。
仕方がないので、やや低い過ぎるのだが、使ってないエアコンの室外機の上に置いて、しばらく観察を続けた。

その後1週間ぐらい使ってみて、全く効果がないことに気付いた。
小さいヤツはすぐ逃げていくけど、ヒヨドリには全然効かないな。
センサーが反応しないときは、手動で反応させてみたりもしたのだが、奴らは平然と花をつついている。
冬場に花を食べる鳥の中では最強だからな、あいつら。
少々の音では怖がらないんだろう。
私が近寄っても2mぐらいまで逃げないぐらい。
効果があるような気がしたことが、そもそも間違いだったのか。

ヒヨドリは「渡り」をするらしく、寒くなると南西の方へ移動していくらしい。
いなくなったのは装置が効いたからではなく、たまたま移動して、近くにヒヨドリがいなかっただけなのかも。
だとすれば、ここまでの行為は全て無駄だったということになる。

他の方法といっても、庭全体に網を張るわけにもいかない。
残留効果の高い蜂用の殺虫剤を樹にスプレーしてみたが、あんまり効果はなさそうだったな。
腹が立って水鉄砲を撃ったり、氷を投げて脅かしたりもしてみたが、逃げて行くにしてもその場限り。
ずっと見張っているわけにも当然行かないだろう。
完全に手詰まりとなった。

いや、実は手があるといえばある。
究極的には、山茶花がなければイイのである。
切り倒してしまえば、それで全ては解決するだろう。
ただ、子供の頃からずっと庭にあった山茶花を切ってしまうのも、それはそれで気が引ける。
一軒家に住むってホントにメンド臭いよ。
自分が家を建てるなら、絶対敷地を全部コンクリで固めてやる。


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