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ひとりごと '99_07_13



「あ、そう・・」
言葉を出そうとして息をのんだ。
なんて醜いんだろう。

しばしば、独り言を言っている自分に気がつくことがある。
テレビを見ながら独り言をいっていたとしても、別段気にすることはない。
しかし、仕事中にぶつぶつ言っているのは質が悪い。
なぜか?
それは自分が仕事をしているとい言うことをアピールするためだからだ。

本来、仕事が暇だなどということがあってはならないのだが、特にノルマを課せられて いない状態にあると、ぼーっと一日が過ぎていくこともある。
そんなとき、周囲にバリバリ仕事をしている人がいると、とても気まずい気分になった りして、「あ、そういえば」なんて小さい声を出したりしてしまう。
声に出したりする必要なんかないのに・・。
そには、自分が仕事している状態にあるということを周囲に知らせようという心理が働 いている。
本当に目的意識を持って仕事をしている人には経験のないことかもしれない。

実に醜い。
そんな自分がイヤだ。
精一杯我慢してみる。
でも、ほとんど習慣のようになっていて、つい言葉が出てしまうのだ。
私は自分の独り言を止めるために意識を払い続ける事にした。

そうして、自分の言葉に意識を集中させているうち、他の人も自分と同じように、人に 聞かせるために独り言をいっていることに気付くようになった。
ただし、人によって多少違いがあって、本当に仕事をしていて、それを理解して欲しい、 という心理状態に見える人もいる。
いずれにしても、他の人に聞こえるように言っていることには違いないのだが。

そういう人を見ると悲しくなる。
何故そんな状態になってしまう人生を選択したのだろうか?
独り言をいわなくても済むような人生が他にあるんじゃないだろうかって。
そして自分の不甲斐なさを思う。

明日は独り言を云わないで済むようになろう。
明日はなろう。
いつも思う。


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