どうせなら

どうせなら 2000_10_09

 

この週末は3連休になるはずだった。
仕事がないってのは、とてもウキウキするものだ。

ところが、お葬式の準備のお手伝いをすることになってしまい、休日を返上して出勤する羽目になってしまった。
本来は出勤ではないのだが、職場の特殊性を考慮すれば出勤といっていいだろう。
もうこの時点で私は不機嫌だったのである。

お手伝いを終えた夕刻、私は筋トレのために区の体育館に向かった。
折角の休日なのだから、何かいつもと違うことがしたかったのだ。
一汗かいてシャワーを浴びた私の気持ちは幾らか改善していた。
職場に荷物を置きに戻り、それから、帰って遊ぶぞ!と自転車置き場に向かったときに、その男は私に声をかけてきた。

どうも留学生のようだが、友人の引っ越しを手伝っているらしい。(言葉がつたなくて、完全には把握できない。)
夜も8時を過ぎて正門が閉まっていて、荷物を運び込めないから、手伝ってくれと言うのだ。
全く知らない人なのに・・・。
しかもその男は、9時にレンタカーを返却しなければならないからと、その友人を私に託して去っていってしまった。

ふざけるな!俺はこれから帰って遊ぶんだぜ!と思ったが、ほかっておくことも出来なかった。
残されたその友人というのは、スリランカから来た女性で、自分が入る寮の場所すらわからず、全然違うところに荷物を運ぼうとしていたのだ。(寮ではなく、研究所に荷物を運ぼうとした)
私は不承不承、彼女を寮まで案内し、管理人に引き渡すことにした。
しかし、管理人は荷物運びをやってはくれず、結局私が手伝う事になったのだ。
結局1時間つき合わされた。

私は明らかに不機嫌であった。
精一杯平静を装ったつもりだったが、日本人が見れば私が怒っていることは明らかだっただろう。
言葉が通じないこともあって、いらだちは更に募った。
彼女には私の表情が読みとれていただろうか?

帰りの道々、私は自転車をこぎながら考えた。
私にお手伝い料を払おうとした彼女を思い浮かべながら。(もちろん受け取るはずはないが)
彼女は私が怒っていることに気付いていたのではないだろうか。
私は彼らの申し出を断ることも出来たのだ。
まあ、いわば自らの意志で手伝うことにしたわけだし、どうせ手伝うならもっと気持ちよくやってやるべきだったかもしれない。
腹を立てながら肉体労働をした上に、後味まで悪いのではやってられない。


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