周りの人間はどんどん年を取っていくのに、自分だけは年を取っていないような気がする。 もちろんそれは気がするだけで、確実に老けていくのだが、そんな現実には目を向けたくないのである。 しかし、若い学生達の相手をしていると、どうしても歳は感じるな。 イヤなものである。 I君というのがいる。 今まで登場したことのあるI君とは別人である。 彼は非常におとなしい人間で、やたらと控えめだ。 なんか面白くない。 そこで私は彼に愛称を付けることにした。 「今日からキミは平井堅・・・」 何となくひげの生え方が似ているような気がするのである。 当然周囲からは「えーっ!!」の声が上がる。 しかし、そんなことはお見通しさ。 「・・・たす、奥目のはっちゃん、割る2」 どちらかといえば奥目のはっちゃんの方が彼に近い。 しかも、奥目のはっちゃんはちょっと忘れられてる感があって、かつインパクトがある。 ドーン!! ここで大爆笑が来るはずである。 ところが誰も笑わない。 遠慮せずに笑っていいんだよっていうのだが、彼らは本当に面白くないのである。 驚くべきことに、彼らは奥目のはっちゃんを知らないのだ。 当然、通信教育空手八段のギャグも知らない。 年が一回り違うと、ベースになってる知識が違うんだな。 絶対に受けると思ったのに、がっくり。 私が歳を取ったのはいい。 それも自然の摂理だ。 だが、奥目のはっちゃんだけは勉強しておいて欲しい。 「奥目のはっちゃん」って言葉だけで笑いが取れそうなんだ。 <後日談 2005_08_02> 奥目のはっちゃん、先頃お亡くなりになったそうである。 まいった。 これじゃあ、ネタに使えない。 |