偽りの郷土愛と市場機能

偽りの郷土愛と市場機能 2012_02_04

 

米がなくなった。
いつもなら、サプリメント食品を買うついでに通販で買うのだが、当面はちょっと気を遣わざるを得ない。
イオンのネットショップのお米、産地が「国産」としか書いてないんだよね。
「コシヒカリ」や「あきたこまち」って銘柄では産地を特定できない。
さてどうするか。
東北の米は何となく気持ち悪いが、さりとてわざわざ宮崎県米を取り寄せたりするのもちょっと必死すぎる。
こういうときは、地元の米を買えばいいか。
福島からはだいぶ離れてるしな。
それに、放射能が怖いワケじゃなく、郷土愛で地元の農産物を消費してるんだよ!って言い張れるじゃん。
よし、これでいこう。

そう思って近所の大型スーパーへ行くと、全国的にはあまり知名度がない地元のマイナーブランド米が見事に売り切れていた。
一方で、秋田・山形の米は山積み状態。
みんな考えることは同じなのかもしれない。
秋田・山形あたりのコシヒカリ・あきたこまちの方が地元の米より5〜10%安いから、例年ならこんなことはないはずだ。
どいつもこいつも偽善者ばっかりだよ、私も含めて。

でも、こういうのも市場原理だよな。
何となく不安だ、という気持ちを値段で数量化するという。
5〜10%だったら高くても安心な方が良いと思う人が多いわけで、売る側はもう少し値段を上げて均衡点を探ってみてもいい。
一方で東北のお米だって、10%20%と値引いていけば、買っていく人は増えていくはず。
値引かねばならなかった分は国なり東電なりに補償を求めればいいだけの話だ。
それは風評被害でも何でもないでしょ。
真っ当な市場の機能だ。

ちなみに私は結局「つや姫」を買った。
昨年あたりから、旨い旨いと話には聞いていたんだ。
山形県産だからちょっと怖い上にコシヒカリより3割高いけど、一回食ってみたいという気持ちが勝った。
これもまた市場原理なんだな。
(食いたい気持ち−不安)>(3割り増し)っていう。
もう少し時間が経てば値段が調整されて、≒と書けるようになるかもしれない。

余談だが、つや姫はホントに旨かった。
水を少なめにしなくても米粒がつぶれないので、口に入れたときに粒がはっきりとわかって私は好きだな。
米粒がホントにつやつやしているのは、外側が堅くてつぶれないからみたいだ。
味の善し悪しはいまいちよく分からない、というか、何をもって旨いとするのか判然としない部分もあるのだが。


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