今さらながら「24」を観た。 今さら過ぎて、書くのも恥ずかしいのだが。 しかしまた、終始共感出来ない主人公だったな。 これが流行ったってのが信じられないぐらいだ。 シーズン3までセットのヤツを買っちゃったから、仕方なく3まで観たけど、1の途中から倍速で観てても辛かった。 家族の件なんか観てると頭に来るから32倍速の刑だよ。 まあ、話の中身はともかく、一つ気になることがあった。 それは犯罪の報酬が安いこと。 女の子二人誘拐して2万ドル、政府の正職員、それもテロ対策班の情報処理担当者を買収するのに30万ドル、写真家のIDを奪って飛行機から脱出し、かつ飛行機を墜落させて100万ドル。 安すぎるだろ。 10年前のドラマだから、インフレ率の違いを考慮して1ドル100円で考えても、日本人の感覚としてはやはり安いと言わざるを得ない。 今はシャブ中だったり、保護観察処分中だったとしても、200万で何が出来るんだ? たった3千万でパーマネントの職を失うリスクを負えるのか?、おまけに国家を危機にさらしてまで。 ばれないようにIDを奪った上に、他にも乗客が乗ってる飛行機を墜落させちゃうって、難易度も捕まったときのリスクも高いだろ。1億でいいのか? って、私は思うな。 これでもアメリカ人にとってリアリティがあるのだとすれば、やっぱり人生に対する期待値が低いんだろうね。 なんとなく、将来にわたってそんなに稼げる保証はない、という気分の共有があるのではないか。 日本だったら、少なくとも若いうちはバイトで月20万ぐらい稼げるからね。 正規雇用だと生涯で2億7千万稼げるけど、非正規雇用だと9000万しか稼げない、とか言って学生を奮起させる大学の就職担当がいるそうだけど、9000万って120万米ドルだから、実はそんなに悪くないんだよな。 今、アメリカの大卒社会人の1年目の平均年収が3万ドルを切ってるって統計もあるんだそうで、終身雇用制度が初めから無い国でもあり、将来にわたって稼げる期待感が無いんだろう。 そういう意味じゃあ、日本に住んでいる我々はまだまだ幸せな方だとも言えそうである。 もっとも、そう遠くないうちに2万ドルで誘拐を請け負うことに違和感を覚えなくなるかもしれない。 しばらく円高が続いて、国内産業が荒廃してから逆に円安に苦しむっていうシナリオが現実味を帯びつつある。 財政が破綻しているから財政出動は出来ないだろうしね。 きっと、格差社会はんたーい!って言ってた頃はまだマシだった、と懐かしく思い出すに違いない。 |