残念だったこと

残念だったこと 2004_04_25

 

おそらくこれが最後だろう、と思って結婚式に出かけた。
ここから先、私にはもう人の世の義理はない。
少なくともプライベートで結婚式に出ることは、これが最後になるはずだ。
最後の最後で、あれが実現していれば、これほど愉快なことはなかったのに・・・。
たいへん残念なことであった。

私には部活の同期が9人存在する。
その最後の一人が結婚することになった。
結婚式なんてのはイヤでイヤでしょうがないのだが、まあ、この義理だけは果たしておかなければならなかったのである。
途中で放棄してしまうわけにはいかない。

ただ、今回一つ楽しみだったことがある。
今回結婚するMは、以前結婚式場を予約するところまでいって破談したことがあり、そのときは私用に特別食を用意してくれるはずだったのだ。
私は好き嫌いが激しくて、高級料理がほとんど食えない。
フランス料理なんざ出されても全然嬉しくなくて、いつも結婚式では全く食べない。
あまつさえ、「こんな不味そうなもん、くえねえ」とか大きな声でわめき散らす有様であった。
そこでMは私のテーブルだけ、山盛りカレーとか焼きうどんなど、私が喜びそうなものを並べてやろうじゃないか、と言っていたのである、前の結婚式の時は。
周りがフランス料理を食べている中で私一人だけ山盛りのカレーライス。
これは愉快じゃないか!
名古屋に着いた時点で私のカラータイマーは、「はよ帰りたい、はよ帰りたい」と点滅していたのだが、その愉快さを思い浮かべつつ私は某ホテルへと向かった。

ところが、結局なんにも出てこなかった。
普通にフランス料理みたいなのが出てきただけだった。
何にも食えやしない。
どうなっているんだ!とMに聞いてみたところ、今回はそこまで気が回らなかったと言っていた。
そんなふざけたこと言ってたから、前回は破談になったのかもしれんが。

しかしまあ、残念なことだった。
人生最後の義理で、面白い経験をさせてもらえるところだったのに。
カレーでございま〜す、と山盛りカレーが出てくることは、もうないだろうな。
アニメ「ルパン三世」に、銭形警部の足止めをするために山盛りカレーが出てくるシーンがある。
あんなことになれば愉快極まりないと私は思っていたのだが。



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