誰かが頑張ってくれるおかげ

誰かが頑張ってくれるおかげ 2009_12_17

 

引っ越しをする上で、ひとつ後ろめたいことがあった。
3つある窓のさんを全て汚してしまっていたのだ。
カビキラーやマジックリンの液が染みこんでしまって変色したり、乾電池の液漏れで木が腐食されてしまった部分があったのだ。
生活する上でさんは結構大事なもの置き場なのである。

さんを汚しちゃったぐらい大したことはないような気もするし、木枠ごと全部取り替えるとか言われそうな気もする。
さて、どうなんだろ。
これは気が重かった。
4年半も住んで敷金が返ってくるとは思っていないが、追加で修理代を払うのはイヤだ。
大家さんの印象を良くするために、私は出来るだけ綺麗に掃除して退去した。

私が非常に気が重かったのは、過去にも出てきたカレー屋のおばちゃんに同じ大家さんのトラブルを良く聞かされたからだ。
カレー屋の建物も同じ大家さんの持ち物なのである。
つい先日も向かいに住む家族が出て行った時に、修理代でもめて簡易裁判所に持ち込まれた、とかいう話を聞かされたばかりであった。
不安は非常に高まる。

しかし、そこはそれ、エイブルが間に入っているから法外な請求はされないだろう、と思っていたところ、敷金の返却は後日大家さんから直接連絡がいきます、という話だった。
部屋の状態をチェックしてから返却額を決めます、後は大家さんと直接交渉してください、とのこと。
もう敷金イイよ、返してくれなくてイイから、もう連絡してこないで、とか思いつつここ数日を過ごしていた。

ところが、蓋を開けてみたら、クリーニング代14,000円以外、全部返してくれることになった。
これは驚いたな。
大変ありがたいことである。
気分的には思わぬ臨時収入があった感じだ。
考えようによっては、向かいの家族が戦ってくれたおかげで私は得しているのかもしれない。
大家さんももう面倒ごとは避けたい、と思うようになったのではないか。
近頃は借り手に有利な判決ばかり出ているらしく、下手をすると礼金や更新料も敷金と同じ扱いになって返却させられるとかいうからな。

そういえば、以前引っ越したときも、建て替えによる立ち退きだったけど、2階の人が立ち退き料を請求して裁判をやったおかげで私まで家賃11ヶ月分貰えた。
私は立ち退き料なんて貰うつもりは毛頭なかったのに。
どうも世の中、誰かが頑張ってくれるおかげで、私を含めたたくさんの人が得をする、ということがあるようである。
私以外のみんな、頑張って。
頼む。


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