景気が良くなるはずはない

景気が良くなるはずはない 2007_02_05

 

先日、通販で有名な秋葉原のPCショップが破産手続きに入る、というニュースを聞いてビックリした。
PC-Successという名前のお店である。
PCを自作する人なら店名ぐらいは知っているのではないか。
パーツの安さには定評があった。

秋葉原でPCパーツショップが潰れるなんてのは良くあることで、普通なら驚くことではない。
それでも驚いたのは、私が二ヶ月ほど前にこのお店からハードディスクを通販で購入したことがあったからである。
タイミングが悪かったら、お金だけ取られて商品は送られて来なかったかもしれないじゃないか。

で、自分がハードディスクを発注したときのことを思い返していたところ、「価格.com」で自分が調べていたことに気が付いた。
一万円以上は送料無料であることを考慮すると、PC-Successが一番安かったのだ。
機能が同じなら、よりやすいものを買いたいと思うのは当然の事だろう。

価格が比較できることによって、値引き競争が起こるのは、まあ、やむを得ないことかもしれない。
秋葉原みたいな店舗の密集地で値引き競争が起こっても、それは局地的なものでしかなかった。
安くたって、秋葉原なり量販店に通えない人は近場で高いものを買うしかなかった。

しかし、いまは通販と近場の販売店とを比較する時代になっている。
近場へ買いに行くより、送料を加えて更に通販の方が安ければ、通販で我々は買うのである。
ここでは利益が送料で削られる現象が起きている。
1万円以上は送料無料ってったって、通販ショップは送料を負担しているのだから。
同じ商品がある顧客へ届く為に必要なエネルギーコストから考えると非常に無駄だな、これは。

私も以前職場で飲むダイエットペプシを通販で買ったことがある。
スーパーで買うと178円で買えるのに、職場の購買部で買うと298円取られる。
しかし、スーパーまで行くのが面倒だったので、通販で228円で買ったのだ。
楽天で一番安いところ選んだら、秋田から運ばれてきた。
1.5L×12本=18Kgぐらいをわざわざ秋田から東京まで運んでくるんだよ。
私もあまりにバカバカしいので1回でやめたけど、こういう事はいまの時代常に起きているんだな。
みんなが利益を削って、その分配送業者が日本中を駆け回っているのである。

いずれは利益がどんどん小さくなって、利益の額が送料を下回れば自然と調整される、それが市場原理だ、と考えられなくもない。
ただし利益が小さくなるんだから、当然物価は下がるよ。
ある商品を売ることで生計を立てられる人の数も減る。
景気が良くなるはずは無さそうだな。




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