|
実家に戻ってきて、もう15年ほどになる。 戻ってきた時からずっと放置してきたことがあった。 トイレの換気扇のカバーのことである。 最初に見た時から明らかに埃が溜まっており、掃除すべきであることは明らかであった。 しかし、私は見て見ぬふりをした。 どうせすぐに出ていくんだから、このままでも構わないと思ったのである。 ところが、それから15年経ってしまった。 私は実に15年放置していたのだ。 先日便座に座っていて、やけに換気扇がうるさいな、と思った。 ふと見上げると、換気扇のカバーにはまるで逆向きに雪が積もっているかの如く白い埃が溜まっていた。 これではさすがに見て見ぬふりもできない。 私はしぶしぶ掃除することを決意したのであった。 やってみたら、カバーを取り外すのは簡単だった。 一巻きの金属バネにカバーの突起が引っかかってるだけだから、引っ張って横にスライドさせるだけ。 問題は埃の方だが、これはもう掃除機で吸えるレベルではない。 やむなく外でホウキを使って削ぎ取った。 たった20センチ四方ぐらいのカバーから埃の山が出来たな。 まあでも、15年放置しておいたにしては簡単に掃除できたものであった。 カバーを元に戻すのも簡単。 そして換気扇を起動させると、音が全然違った。 明らかに静か。 本来はこんなに静かだったのか、と驚いた。 換気力も大幅にアップ。 こんなことならもっと早くやっておけばよかったよ。 家を出ていこうとしているのに、今更感はある。 |