勇者に対する礼儀

勇者に対する礼儀 2008_02_20

 

HD-DVD事業からの撤退宣言がなされたのは昨日のことだった。
意外に早く決着が付いてしまって私は大変ガッカリである。
もっと戦って欲しかったな。
でもよく頑張った。
スケジュールが後ろにずれ込んだ時点でHD陣営に勝ち目がないことは分かっていたのに。
HD-DVDは2007年の段階でDVD需要の落ち込みをカバーする必要性から生まれたモノであって、タイミングを逸してしまえば勝ち目はなかった。
もともと容量は少ないわけだからね。

ここ数日、HD事業撤退の記事をたくさん読んだのだが、どうも気に入らない。
最近、気に入らないことを愚痴ってばかりいるな。
何が気に入らないって、消費者不在とか企業の都合とかいって、規格争いを責めるような記事が圧倒的に多いことが気に入らない。
そんなもん、戦ったらどっちか負けるにきまっとるねん。
文句言うなっつうの。
もちろん、ほとんどのアーリーアダプターと言われる人達は文句を言っていないと思う。
ああいう人達はちゃんと分かってるから。
大衆に迎合する記事を書いた方が受けるから書いているんだろう。
ムカツク!

東芝が頑張ったことで得をしたのは、実は最近BDを買った人達やこれからBDを買う人達だろう。
だって、競争のおかげで安くなったんだから。
いったん安くしたものは、HDが無くなったからといって高くは出来ない。
有り難いことだよ。
これが初めから規格統一されていたら、利益が出る価格でゆっくりスタートしていたはずである。
おそらく安いHDを買った人は今後BDを買い直したとしても、規格統一されていた場合より安く済むはずだ。
何事もまず戦うべきなんだよ。

勝ち目のない戦いによく挑んだ。
意地を張り通した。
立派だ、東芝。
敗者には実益がないんだから、賞賛ぐらいは与えるべきである。
それが勇者に対する礼儀だ。


戻る