地域手当は二重取り

地域手当は二重取り 2009_12_05

 

昨年から実家でちょくちょく暮らすようになって、イヤでも気づくことがある。
田舎は物価が安くない。
というか、東京の物価が高くない、というべきなのか。
実家近くのスーパーで買い物をすると、明らかに食品の値段が高いのである。
私が前に住んでいた幡ヶ谷には近くにスーパーが2件あったせいかもしれないが、とにかく安かった。
おそらくデフレになる前、価格破壊云々といった時代の前には都市の方が物価は高かったのだろう。
しかし、今は人がたくさん住んでいるところでは薄利多売が効くから、むしろ安くなるんだな。
時代は変わった。
都会の物価が高くないのであれば、ちょっと問題が発生するな。

公務員やそれに準ずる職員には地域手当というのがある。
手当の名称は良く変わるし、所属する組織によって違うかもしれないが、実態は物価調整分を埋め合わせる手当のことである。
一般企業にもあるのかどうか、私は知らない。
私は自分が所属している機関以外のことは詳しく知らないけど、東京だとおそらく基本給に十数パーセント上乗せされているはずだ。
もし都会の物価が高くないなら、これは本来是正されるべきものである。

しかも、この地域手当には裏技があって、手当の低い地方に異動しても2年間は前の勤務地の手当が支給される。
中央官庁に勤める職員が誰もが嫌がる地方事務局に異動する場合、貧乏くじを引いた上に所得まで下がるのは可哀想、といった気分から出来た制度ではないか、と私は推測している。
いや、知らないよ、ホントのところは。
で、2年以内に本庁に戻れば、ずっと東京の地域手当がもらえるという仕組みである。
日本が高度経済成長している時ならいざ知らず、たぶん今のご時世では一般の皆様に理解してもらうことは出来ないだろうな。
止めるべきだよね。

ところが、私の実感としては、東京に住んでいる限り地域手当をもらってもそんなに心は痛まなかった。
というのも、東京は家賃が高いからである。
同レベルの部屋の家賃を実家の周辺と比べると2〜3倍はするだろう。
実質的に家賃補助の感覚で貰っていたから、特に申し訳ないとは思わなかったのだ。

しかしながら、私はここで気づくのである。
官舎に住んでいる連中は、いわば二重取りだということに。
テレビで良く叩かれる都心の格安高級官舎に住めるのは有力な省庁の偉い人だけで、下っ端は遠いところに住んでいるのだが、それでも標準的な所帯持ち用官舎を一般的な相場で借りたら月7〜8万円はするだろう。
それを月1万円ぐらいで借りて、しかも地域手当も貰っちゃってるんだな、あの連中。
これは是正すべきだ。
地域手当を家賃補助・住宅補助の名目に切り替えれば、おそらく百億の単位で経費が削減できるんじゃないか。
国家予算の規模からいったら微々たるものかもしれないが。

もう終わっちゃったけど、事業仕分けの時に議論すれば良かったのに。
地域手当を廃止するなんていったら、それこそ官僚総スカンでサボタージュし始めるかもしれないけど。
個人としては額がでかいからな。


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