子供の頃、切手を収集していた。 といっても、飽き性なので何年もは保たなかったけど。 その当時、記念切手には買い取り相場というものがあって、年月が経つと大抵の記念切手は少し高く売ることが出来た。 出来た、といっても売ったことはないので、本当に出来たかどうかは分からない。 相場表に書いてあるから、売れるのだろうと思っていた。 そこで、年月とともに高くなるなら、たくさん買っておけば儲かるじゃないか、と思ったのである。 子供の浅知恵であった。 私は親に勧めて、発行される記念切手を片っ端から買わせた。 儲かるよ!つって。 私が切手収集に飽きてからも親はせっせと買っていたので、私の家には何百枚もの記念切手シートが存在しているはずである。 はずである、というのは現在見つかっていないからだ。 間違いなくどこかにあるはずなのだが。 ところが、今現在、記念切手にはほとんど値段がつかないようである。 一部見つかった記念切手をオークションサイトで検索してみたが、限りなく原価に近い値段で取引されている。 記念切手って元々何万シートも発行されるものだから、希少価値なんかないんだろう。 昔は流通が限られていて、容易に売り買いが出来ないから逆に値がついた。 インターネットで自由に取引できるようになったから、単純に需給で価値が決まるようになってしまったのだ。 20年前は2万円が相場だった「見返り美人」も今では5千円程度で取引されているようである。 結局二十数年も無利子でお金をタンス預金していたのと同じ結果になった。 で、勿体ないからこれを使おうと思うのである。 宅急便を使うときに、ゆうパックを使えばいい。 郵便局では切手はお金と同じように使えるはずだ。 実際使ってみたら、すんなり受け取ってもらえた。 しかしである。 記念切手って毎年大量に発行されてるよな。 あれ、累積した未使用額はいくらになっているんだろうか。 お年玉年賀葉書の当選切手も相当な量が存在しているはずである。 例えば、国民一人あたり一万円分の切手をため込んでいるとすると、一兆二千億円分の債務をゆうちょ銀行は持っているのと同じことになるんじゃないか。 これは大変なことなんじゃないの? ちょっと興味があるのでゆうちょ銀行の財務諸表を確認してみたいのだが、残念な事に私にはあれを読み解く能力がない。 読めるようになりたいと前から思ってはいるのだが。 大丈夫なのかね。 |