ゴキブリの話

ゴキブリの話 2016_10_10

 

さすがに寒い。
タオルケット一枚では朝方の寒さに耐えられなくなってきた。
これぐらいまで気温が下がってきたら、もう安心だろう。
奴らもあんまり活動できなくなってくる。
私はこれから奴らの、ゴキブリの話を書くつもりである。

私が実家に戻ってきた当初、我が家にはゴキブリがたくさんいた。
父親の介護はせにゃならんわ、自分は病魔に冒されてるわで、母親はゴキブリのことまで気が回らなかったのであろう。
私はコンバット(バイトタイプの殺虫剤)やゴキブリホイホイなどを駆使して、毎年駆除を進めた。
おかげで昨年あたりは全く見かけなくなり、私は安心していた。

ところが、今年になって春先から小さいゴキブリを何度か見るようになったのである。
昨冬は暖かかったから、越冬して卵を産んだヤツがいたんだろうな。
一応例年どおり、水回りにコンバットを仕掛けてはみたものの、全く落ち着く気配が見えない。
7月の後半あたりになると、いよいよ成虫も登場し始めた。
リビングの電気を消して自室に戻り、しばらくしてリビングに戻って電気を付けると、目の前にゴキブリが!!ということが2週間に3度ほど起きた。
あれはビビるな。
怖くてリビングの電気を消せなくなった。
いや、私はゴキブリを見ると闘志が湧くタイプで、別に怖いわけじゃないのだが、やっぱり不意打ちはダメなのだ。
そのうち床や壁のシミまでゴキブリに見えてきて、精神面にまで影響が及んできた。
いよいよ対策を打つ必要に私は迫られた。

8月も終わり頃になって、私は普段使っていない部屋にもブラックキャップ(ベイトタイプの殺虫剤)を置いて回った。
更に水場へと向かう通路にゴキブリホイホイを設置。
ホイホイともかく、ベイトタイプはやっぱり効く。
それ以降、ぱったりゴキブリの姿を見ることはなくなった。
そろそろリビングの電気を消そうかと思っている。

これで終わりかと思いきや、実はまだ話は続く。
たまたまTSUTAYA DISCASが作品縛りのある動画ポイントをくれたので、アニメと実写、両方の「テラフォーマーズ」を観た。
少し前に話題になった、あの人間みたいに進化したゴキブリと戦うヤツ。
両方とも戦闘の合間に回想や解説が入って、酷くテンポの悪い作品である。
特にアニメの方。
まあでも、ゴキブリの進化について、ちょっと考えるところはあった。
なんでこんなにゴキブリのことばっかり考えなきゃならんのか、とも思うのだが。

ゴキブリって大きく見えるけど、裏返ると体はそんなに大きくない。
羽根のせいで大きく見えるんだ。
あんまり飛ばないんだから、大きな羽根を付けている必要はなかろうに。
あれ、小さかったらこんなに人間に嫌われない気もするんだが、どうだろう。
ゴキブリはコオロギなんかと分類上同じ仲間だそうだが、コオロギはそんなに嫌われないじゃん。
清潔な日本ではもう伝染病の心配はそれほどする必要もないし、小さければ殺されずに済むんじゃないか。
それに大きければ当然見つかりやすいわけで、適者生存の原則に照らせば、どんどん小さくなっていきそうな気がする。

それでも小さくならないのであれば、きっと大きいことに理由があるんだろうな。
人間よりヤモリとか蜘蛛みたいな捕食勢力の方が大きく影響しているのかもしれない。
生物の世界では大きさが重要だから。
我が家にはヤモリも入ってきちゃうのだが、ゴキブリの成虫はヤモリの口には大きすぎるように見える。
ある程度大きい方が捕食されにくい可能性はありそうだ。
ゴキブリが人間様の都合で変わってくれないのであれば、これからも私はビビらされ続けることになるだろう。
ゴキブリとの戦いは死ぬまで続く。


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