HDの憂鬱

HDの憂鬱 2007_10_16

 

先日、NHKの大河ドラマをたまたま観ていて、山本勘助の口元に違和感を覚えた。
なんだろう?と思って口元をよーく観察してみると、付けひげのペースになっているメッシュ状の絆創膏みたいなのがハッキリと映っているのである。
お笑いのコントならともかく、大河ドラマでなんちゅうやすいメイクをしとんのかいな、とちょっと驚いた。

気になったので、同じNHKの木曜時代劇を観ているときに、カツラの生え際をぐわしと観察してみたところ、やはり同じようなメッシュ状のものが見えた。
どっちも同じ物のようである。
どうやら時代劇のメイクというのは、その程度のものらしい。

しかし、である。
今までそんなことには気付かなかった。
何となくカツラに違和感を覚えたことはあっても、メッシュがハッキリと映っていたなんて事は記憶にない。
これはやはり地デジで観ているからではないのか。
正確には、観ているTVの品質ではなく、撮影するカメラ側がHD対応になったからだろう。
いらんものまで写してしまう。
高精細に記録できるのも考え物である。

そうすると、これは困ったことになるな。
ヅラの人はどうするんだろうか?
アップで抜かれると、生え際見えちゃうじゃん。
時代劇のメイクなんかよりはしっかりやってるんだろうが、載せてるだけだと生え際浮いてるのが見えちゃうよな。
プロピアみたいな貼り付けるタイプでも、ベースシートが見えちゃうんじゃないだろうか。
これは大変な時代になった。
ハゲ受難の時代である。
ハゲ予備軍の身の上としては、他人事じゃない。

もちろんハゲだけじゃない。
女性のメイクだってごまかしがきかなくなるよな。
いらんものが見えちゃう。
きっと大変苦労していることだろう。

地デジになって、我々観ている方は綺麗な映像が観られて結構な話だが、ソフトを制作する方は全くもって大変なことである。
増えたレゾリューションに耐えうる画が求められるようになった。
耐えられなければ安っぽい画だと思われる、今までと同じなのに。
それに耐えようとすると、収入は変わらないのに、おそらく番組の制作コストは増大していくだろう。
あれっ、どこかで聞いたような話だな。


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