冬が終わる前に

冬が終わる前に 2008_03_05

 

昨年年末、1万円の福袋を買った。
いまは大きな服でも福袋があるのだ。
有り難いことである。
昔は大きい服を手に入れること自体が難しく、希少価値があるのであまり値引きされなかった。
本当にいい時代になったものである。
あまりにも嬉しかったので2個買った。

この福袋は7点セットと8点セットがあり、中身は事前に全て分かっていた。
その中に写真で見ると一見まともなアウターも一着含まれていた。
これはお買い得だと思ったものである。

しかし、世の中そうウマイ話はない。
このアウターは薄手のつるつるした黒い生地で出来ているのだが、光が反射して白っぽくみえる。
一見して安っぽいのだ。
縫製もあからさまに適当。
福袋に入っているようなものだから、それはやむを得ないだろう。
文句を言うつもりはない。
私は元々服に拘りなどないので、気にせず着るつもりだった。

ところが。
街中を歩いていると、同じ生地の服を着ている人間を良く見かけるのである。
テカテカしてるからすぐに分かるのだ。
安物着てんなー、と思ってしまう。
もし私がこの服を持っていなかったら、それを安物だと断ずることは出来ないが、持っているから安物だと分かるのである。
ということは、向こうだって私が同じ生地の服を着ていたら、安もの着てんなーと思うだろうな。
よく見かけるということは、それだけたくさんの人にバレているということでもある。

そう思うと結構これは着づらい。
2着もあるのに。
もう冬も終わりである。
着るならいますぐ着ないといけないのだが・・・。
今年を逃したら二度と着ない気がする。
もったいない。


戻る