一人暮らしを始めて20年近くになる。 もともと私は全くと言っていいほど野菜を食べなかったが、食べるものを自分で決められるようになると、ますます食べなくなった。 私の食生活はカロリーメイトなどの機能性食品によって辛うじて維持されてきたのである。 これはさすがに自分でもまずいなと思っていて、インスタントラーメンなんかを食べるときにはもやしを入れるようにしてきた。 あんまり味はないし、加熱するとビタミンは壊れるから、あくまで単なる食物繊維としてのことである。 だから、今までは銘柄を気にすることもなく、適当にもやしを選んでいた。 しかし、ある日もやしの袋を開封したところ、底の方に根ばっかり固まって入ってた。 たぶん何かのミスなんだと思うが。 あれは気持ち悪かったな。 以来、なんとなく根のついたもやしがイヤになった。 スーパーで普通のもやしが19円で売られているところ、わざわざ58円の根切りもやしを私は買うようになったのである。 価格は実に3倍。 ところがしかし、「根切りもやし」といっても全然根切れてないんだよね。 切ろうとした努力の跡はある。 確かに根の部分に切り込みが入っていて、切ろうとしたらしいことは伺えるのだが、結局半分ぐらい取れてないのだ。 大雑把に切り込みを入れて、製造ラインを流れていくうちにねじりきれることを期待したような感じである。 安いもやしだって店によっては「根を少なくしました」とか書いてあるんだから、3倍もする根切りもやしなら、もうちょっと何とかしろよ、と文句の一つも言いたくなってきた。 根を取るのってメンド臭いから、やってるうちに腹が立ってくるんだよね。 そもそも単価安すぎて、一本一本確実に切るわけにはいかないんだろうけどな。 じゃあ、一体いくらだったら完全に切れるのか、という話である。 78円ぐらいではなんとか出来ないのか、と思わずにはいられない。 19円と58円を比べるとだいぶ差があるけど、58円と78円だったらそれほど差は感じないだろう。 今の私なら買うかもしれないな。 どっか「パーフェクト根切りもやし」とか出してくれないものだろうか。 100円超えたらちょっと考えるけど。 まあ、気にしなければそれまでの話なんだが。 根には栄養が豊富だから切らない方がイイという知見があるのに、どこのスーパーでも根切りもやしが売ってるところを見ると、気になる人は多いんでしょ。 自動生産ラインでは世界に冠たる日本の機械技術ですから、是非頑張っていただきたいものである。 <後日談 2011_06_04> 東海ローカルのスーパーを探し回ったところ、「ベストもやし」と銘打たれたもやしを見つけた。 値段はズバリ78円。 早速買ってみたが、根が入りまくり。 全然ベストじゃねーっ! ジャスコで売ってる58円の根切りもやしより出来が悪かった。 |