真夜中にランニングしていたところ、見慣れたトラックに追い抜かれた。 1時40分ぐらいだったかな。 時間と位置から考えて、近所の新聞配達店に向かうトラックだろうと思った。 果たしてトラックはローカル新聞の配達店の前に止まった。 ローカル新聞がどれぐらい売れているのか興味があったので荷下ろしを観察していたのだが、運転手は車から降りることなくトラックを発進させていった。 一体何のために止まったのだろうと思い、店頭に近寄ると、新聞の束が置いてあった。 その束を見て、なるほど、と思った。 あまりに少ない。 見た感じ厚みが15センチぐらいしかなかった。 あまりに少ないので、荷台に載せる必要がなかったのだろう。 ドアから身を乗り出して、降りることなく置いていったものと思われる。 しかし、この少なさといったら想像を超えていた。 ひいき目に見ても50部ぐらいではないか。 月4千円だとしても、売り上げはたった20万円にしかならないよ。 こんな事でやっていけるのだろうか。 もうほとんどボランティア感覚なのかもしれん。 しかも、私の住んでいるところは田舎といっても、それなりに人口が多い地域なんだよ。 それでこの有様なところをみると、過疎地域におけるローカル新聞の惨状たるや想像するに余りある。 そう思うと、ちょっと前に話題になった広島新井選手の引退全面広告は、対費用効果の高いお祝いなのかもしれない。 いや、ふと思ったのだが。 ローカル新聞らしいから、おそらく広告費は安いでしょ。 あの辺、面積は広くても人口密度が低いからな。 それなのに結局はネット介して全国の人があの広告を見た。 これほど効果的なお祝いもなかなか他になかろう。 男気で有名な黒田選手は、実は頭もいいのかも。 この手法は今後も使われるんじゃないか。 話題になりさえすればいいんだから、なにも全国紙を使う必要はないのだ。 人口が少ない田舎のローカル紙でいい。 お金に困っているローカル紙なら、自主規制も緩いだろう。 全国紙では許されないような広告も打てる可能性は高い。 今すぐやると二番煎じと言われるから、世間が忘れた頃に真似する人が出てくるであろうと私は予想する。 <余談> 「費用対効果」と「対費用効果」はどちらが正しいのか。 世間では「費用対効果」を使う人が圧倒的に多いし、私も最近は流されて使うことが多い。 しかし効果に着目するなら、「対費用」を形容詞的に用いた「対費用効果」の方が正しいのではないか、とも思っている。 <後日談 2018_12_10> ローカル新聞の配達所が移転した。 すぐ近くに、しかも建屋を新築して。 あんなに取扱量が少ないのにどうしてだろうと思っていたら、ローカル新聞の看板の下に四分の一ほどの大きさで「朝日新聞」「毎日新聞」と表示が出ていた。 どうやら統合することで配達規模を確保したらしい。 読売と日経は既に統合したとニュースで見た記憶があるから、中日新聞だけが孤立した状態だな。 おそらく中日スポーツ頼みだろう。 中日ドラゴンズが身売りできないのも、その辺に理由があるのかもね。 |