為せばなる、為さねばならぬ、何事も

為せばなる、為さねばならぬ、何事も 2002_08_17

 

「為せば成る、為さねば成らぬ、何事も」という句がある。
上杉某という偉いお方のお言葉なんだそうだ。
普段これを使っていて、「これおかしいぞ!」と思う人はまずいないだろう。
しかし、この句を分解して考えると、ちょっとおかしいことに気付く。

「為さねば成らぬ」の方は良い。
「為す」事が「成る」ことの必要条件だと言っているわけだ。
なるほどその通りである。
まずやってみなければ、何事も始まらない。

一方、「為せば成る」はどうか?
これはマズイ。
「為す」事が「成る」事の十分条件だと言っている事になる。
どんな事でもやってみると、必ず成功してしまうのだ。
そんなはずはないだろう。

とはいえ、私達は「為せば成る、為さねば成らぬ、何事も」を実現させていきたいのである。
「為す」事は「成る」事の必要十分条件でなければならないのだ。
そこで。(というのも、かなり強引な展開なのだが)

私は宣言してみた。
「Mさんに一周差つけて勝つ」と。
もうちょっと説明すると、「日頃研究三昧で運動不足だが、私より7センチ背が高く35キロ体重が軽いMさんに、一周650m×5周のマラソン大会で一周差つけて勝つ」という事である。
「為せば成る、為さねば成らぬ、何事も」が本当ならば、相当の努力と引き換えに私は勝つはずだ。

元々この話はMさんの運動不足をからかっての発言だった。
しかし周りの人間が一周差は絶対に無理だと言うので、「よし、やってやろう」という事になったのである。
いったいMさんがどの程度のスピードで走るのか全く見当も付かないのだが、私には根拠のない自信があった。
誠に不思議な事である。
この戦いには一万円が賭けられる事になった。
もっとも、マラソン大会が開催されるかどうか、それ自体が怪しくて、この戦いはあまり現実味を帯びていなかったのだ。(毎年やってるワケじゃないから)

ところが、9月からMさんが某大学に赴任する事になってしまった。
もう時間がない。
という事で、急遽2人だけのマラソン大会が決定!
勝負はMさんが5周走ったタイム×0.8と私のタイムを比較する事で行う。
決戦は8月22日!

果たして「為せば成る」のか!?



つづく



<結果 2002_08_22>

負けた・・・。
というか、一周差つけるというよりは、限りなくガチンコ勝負だった。
潔く一万払いましたよ、ええ。

そんなわけなので、「為すとも成るとは限らねど、為さねばならぬ、何事も」ということで、ひとつよろしく。


<誤字訂正済み>
「成す」× 「為す」○


戻る