98_11_06

コトニー '98_11_21

          

琴錦が好きだ。
私はコトニーと呼んでいる。

いま彼は優勝争いのトップを走っている。
13日目の貴乃花戦はすばらしい一戦だった。
普段は決して盛り上がることのない食堂でも、歓声が沸き上がった。

琴錦が好きだというと、大抵「どうして?」と聞かれる。
さて、どうしてなのか?
好きなものに理由などあるのだろうか?

私はよくこう答える。
「彼は近代デブ史上初、二股をかけたデブとして、デブの期待を一身に集めているのだよ。いわばデブ界のプリンス!!」
しかし、それは本心ではない。
そんなわけあるはずがない。

彼はいつも一生懸命だ。
それに自力もある。
だが、いつも自分から負ける。
いいところまで押し込んでおいて、自分から倒れる。
人によっては、ばたばたして鬱陶しいと思うらしい。
私はそんなコトニーの相撲が好きだ。

ひょっとすると、手に入れかけた優勝を、いつものでんで逃してしまうかもしれない。
それでもいいと思う。
私は声援を送りたい。


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