50で18。 私は常に主張してきた。 これは、自分が50歳の時に18歳の嫁さんをもらう、という意味である。 しかしながら、この主張を続けることはもはやできない。 なぜならば、私は50を超えてしまったからである。 私はこのシリーズを終わらせなければならないのだ。 もともとは真顔でいうジョークだったのである、「50で18」は。 しかし一時期、そうでもないと感じていたこともあった。 自分の精神がようやく大人になったと感じたのが30歳ぐらいで、そこから3〜4年ぐらい精神の充実期があった。 この頃は自分の成長によって、18歳の女の子が結婚してください!と言ってくれるような人間になれるのではないか、と思えたな。 しかし、精神の充実期はあっという間に終わったのである。 35歳の時にはもう落ち込み始めていた。 すでに肉体は衰えてきているのに精神まで落ち込んでしまったら、もう伸びる見込みはない。 それでも私は諦めなかった。 金持ちになってやろうと思ったのである。 18歳の女の子が思わず結婚してください!と言ってしまうほどの金持ちに。 以来私はひたすら投資に精を出してきた。 ところが、そう上手くはいかない。 私に投資の才能はなかった。 基本的にビビりだから、比較的安全な運用しかやってこなかったのである。 自分ひとりが一生遊んで暮らせるぐらいの資産を形成することはできたが、他人(ひと)ひとりの人生を買えるほどのお金は貯まらなかったな。 事ここに至っては、私は敗北を認めざるを得ない。 32年を賭けた私の戦いはここに幕を閉じたのである。 であったとしても、私の内心においては必ずしも終わりではない。 思えば、荒井注は63で25、加藤茶は68で23だった。 60で28、70で38、が無いとどうして言えようか。 私が諦めなければ、この戦いはまだまだ続くともいえるのである。 - 完 - |