第21回 衣替え

今回は 春から夏にかけて、季節の変わり目のお話。
原則的に、5月は袷(あわせ)。6月は単衣(ひとえ)。7月は薄物(うすもの)です。

☆胴抜き(5月の暑い日に)
裾回しは付いているので、一見、あわせ。
でも背中の部分はひとえになっています。
直接きもの地に縫いつけるため、紬など厚みがあり目の粗い布の場合のみです。
縫い目が目立たぬよう、裾回しに布を足し、帯の下あたりで綴じ付けます。
衿は“ばち衿”。(普通の衿の半分の幅)
袖口と振りにも布を。
☆単衣(5月末と6月)
布は、紬や縮緬などの透けない物。
裏地をつけない単(ひとえ)仕立て。
9月にもこれを着ます。

他に紗合わせといって、薄い紗を袷に仕立てた物も。6月上旬にだけ着ます。
胴抜きの説明図 単衣のイラスト
薄物のイラスト☆薄物(7月8月)

梅雨明けまでは、絽や縮(ちぢみ) 。
梅雨明け以後は、それに紗や 上布(じょうふ=麻)が加わります。
珍しいところでは芭蕉布。夏大島、夏結城などというものも。
いずれも涼しげな色や模様が多いようです。 海や水、一足早い秋の草や虫の紋様など。


☆帯

単衣には単帯か、少し早めに絽の帯を。暑苦しい色や模様でなければ、紬地の染め帯などでもいいと思いますけど。


☆小物

帯揚げ・半襟・長襦袢は絽か麻。帯締めは夏用の物もありますが、細めなら普通の物でOK。
その他、肌寒い日には絽の羽織など。暑い日には汗を吸うよう、ウエストパッド代わりに一番下にさらしを巻いたりします。
   



 
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