館山城

房総の春は早くやってくるといわれている。という事なので冬場に房総半島へ出かけ、館山まで足を延ばしてみました。

またアクアラインを利用して、「海ほたる」経由でもって木更津へ。そして国道127号を南下して行き館山の町へ向かいます。途中で「ぎょなん」、「とみうら」という両道の駅にたちより休憩。この2つの中でも「とみうら」という道の駅は「道の駅グランプリ2000」において最優秀賞を受賞したとか。まわりは黄色の菜の花が咲いており、これを目的かどうかは不明だが観光バスもドンドンやってくる始末。だからかどうか、駐車するのも一苦労でした。

さて館山城は現在、城山公園となっております。昭和の時代、第二次世界大戦中(太平洋戦争中)には、この山頂へ高射砲を装備していたとか。それによって築城された戦国当時とは山の地形が変わっている様です。

城山公園というくらいなので、城下には無料の駐車城もあり完備されており、当日は観光バスも停車しているのにちょっとビックリ。館山城は昔からの建造物でもなければ、そんなに有名な武将との関わりも少ないはず。しかしその謎は山を登るにつれて解けました。山頂へ天守へ向かって、坂道を歩いて行くと、その脇には梅の木々がある事に気が付いたのです。先ほどのバスで訪れた団体客はこっちが目当てだったのでしょう。

登りきるとそこは庭園になっております。梅や桜、椿なども植えられており、「義康御殿跡」は梅園となっているようです。また日本庭園や茶室も一角に造られており、春になればここで茶会なども催されるのでしょう。これらの花々もそれぞれ「つばきの経」や「つつじ園」などと整備されています。

博物館となっている復元天守閣 この城山公園のシンボルともなっている天守閣は、館山市の博物館分館となっております。ちなみにその本館は麓にあります。天守閣、博物館へのへの入場料は\150です。

中は全部で4階層あり、1階と2階に「南総里見八犬伝」に関する展示物があります。江戸時代から通じる錦絵や歌舞伎。さらには現代の映画や人形劇など。展示されている中で特に印象的だったのが、滝沢馬琴が書いたと言われる原書。ある部分の見開きがあり、あきらかに左右のページでもって字体が異なっておりました。老いた馬琴は失明してしまい、後半部分は嫁さんに口述してそれを書いたとか。

この辺りの地というと滝沢馬琴の「南総里見八犬伝」で有名な所の様です。訪れてから、この辺りがあの物語の舞台となった地である事を知らされてしまいました。といっても物語の内容を理解できていないのですが。逆に「南総里見八犬伝」の話が好きな人などには楽しめる地ではないでしょうか。

3階は倉庫になっている様で最上階の天守へ向かうと、そこからは眺望が素晴らしいです。館山城下はもちろんですが、館山湾も見下ろせます。よく晴れ空気が澄んでいる時には、遠く南アルプスまで見渡せるとか。当日は遠くの方がかすんでしまい、浦賀水道を挟んだ対岸の神奈川県をみるのがやっとでした。

またこの館山城周辺には地中をV字に切り刻んだ堀切や、山を削り断崖とした切岸なども見ることができます。すこし離れた所には堀の跡も当時の面影として残っている様でした。

今度行くときは「南総里見八犬伝」を理解した上で、周りを散策してみたいものです。


所在地
千葉県館山市