仙台城

杜の都といえば仙台。伊達政宗を祖とする伊達藩の中心となしたのが、慶長七(1602)年に完成した仙台城です。

仙台城という名だけではなく青葉城という別名も持っており、地元の人はなんと呼んでいるのか、ちょっと気になるところですけど。

仙台城へはJR仙台駅から「るーぷる仙台」という市内の観光名所を廻る、循環バスを利用するのが便利です。入り口まで乗せていってくれます。ただ時間がある方には、仙台の町をのんびり歩いて行くのをお勧めいたします。30分ほど歩くけば城趾へ到着です。

青葉通りをまっすぐ進めば目的地です。築城当時は城の外堀とされていた広瀬川にかかる大橋からは、かつての大手門あたりに復元された「脇櫓(隅櫓)」を目にすることができます。 この大橋を渡り終えた当たりが、伊達政宗の家臣であった片倉小十郎の屋敷であったと伝えられています。今ではその影すらみることも出来ませんけど。

伊達政宗像 さらに「五色沼」を左に見ながら、東北大学方面へ坂を登って行くと、さきほど大橋から目にした「脇櫓(隅櫓)」が復元されております。この道をはさんで櫓の反対には、「慶長遣欧使節」で有名な支倉常長の像を見物できます。

ここには昭和初期まで大手門が現存していたとか。しかし戦災でもってやけ崩れてしまったそうです。

そこから本丸跡へは山道、車道脇を歩んで行く必要があり、歩道とは呼べない感じ。しかし途中からは歩道がきちんと整理されております。しかし車道を横切る必要があるので注意。このあたりまで登って来れれば、整備されたばかりの真新しい石垣を目に出来ます。

石垣が崩壊仕掛けているとの事で、修復作業を行いそれもほぼ完了したということでしょうか。その修復にいたる経緯や工事状況は、本丸に建ててあった小屋に書いてありました。仙台城が築城当時の面影を見せる一面が、この石垣にあるように思われます。

本丸といえば城の中心にあたるところです。そこまで行くと坂道を登った甲斐がある程の景色を目にできると筈です。ここから仙台市内が一望でき、遠い昔の武士も同じ様に眼下に城下を眺めていた事でしょう。

またこの本丸には有名な「馬上の伊達政宗像」があります。この像も石垣の修復工事でもって20メートルほど動かされたとか。

さらに「荒城の月」の碑もあり、訪れた当日には演奏している人がいらっしゃいました。

さてお城といえば天守閣を想像する方も多いと思います。しかしこの仙台城には天守閣は元来存在せず、築城の計画はあったと言われておりますが、それは実現されませんでした。その代わりに本丸やそれに連なる大広間や御成門。さらには能舞台や懸造りなど立派な建物があったそうです。

こういった事は青葉城史料館で知ることができます。そのなも「幻の仙台城を映像で復元」。想像できるとおり、CGを利用して伊達政宗が築城した当時を再現するという話です。10年以上も前のCGなので今から見ると、驚くほどの映像ではありませんが、仙台城の本丸の造りを知る事ができます。

本丸から三の丸へ下る道すがら、震災による石垣の復旧作業を行っているのを目にした。重要文化財に指定されてもおかしくない石垣。これは手を加えてでも後々まで残しておいてもらいたいものです。

また三の丸付近にある「仙台市博物館」では、仙台市の歴史を太古から昭和初期までに渡って見ることができます。この中には伊達政宗が所用した甲冑や刀、さらに自筆の書状など数多くの興味深い史料が展示されておりました。


 
■情報
別 名 :青葉城
所在地 :宮城県仙台市青葉区
築城年 :慶長五(1600)年
関連武将:伊達政宗

■アクセス
鉄 道 :JR仙台駅より徒歩30分