松本城

今回訪れた松本城は、比較的に交通の便も良く、車でも電車でも気軽に訪れやすい所です。今回は車を利用してみました。長野自動道の松本I.Cを降りてから、およそ20分くらいで目的の地に着けます。また市営の駐車場も付近にいくつかあるので、停める所を迷う事は少ない筈です。ちなみに電車ですとJR松本駅から歩いて15分ほどです。歩くのが辛い人は、バスを利用すれば便利でしょう。

また日本で国宝に指定されている天守は、全国で四つしかい無いそうです。姫路城、彦根城、犬山城、そして今回訪れた松本城です。松本城は別名を黒烏城とも呼ばれ、その名の通りその天守の色は黒色で統一されています。

外堀に囲まれた城へ入ると、内堀の中に黒い天守が目に入ってきます。およそ400年以上も前から残っている天守だそうです。築城が文禄年間と言いますから、ちょうど豊臣秀吉による天下平定の直後。まだまだ戦国乱世の気配がのこっている時期の事で、まさに戦国時代最後の城といっても良いのではないでしょうか。

周りは公園になっており、だれでも気軽に散歩が出来る様に成っています。観光客はもちろん、地元の人も多く利用しているのではないでしょうか。黒門とよばれる門を通り、天守へと向います(入場料\520)。天守へ入ると本丸御殿跡として大きな敷地が目の前に広がってきます。この本丸御殿は今では無いも無いところですが、江戸時代初期頃に構築された様ですが、残念ながら享禄年間に焼失してしまい、その後は再建がされなかったそうです。

さて高々とそびえ立つ松本城のシンボルである天守閣は、五重六層の天守と乾小天守、渡櫓、辰巳附櫓、月見櫓が連結して一つの天守と成っています。これは当時としては珍しい形だそうです。また姫路城などとは違って、どちらかというと戦時の時にでも対応出来る様に、実戦に備えて築城されていた様です。というのも鉄砲および大砲での防衛を目的に工夫がこらしてありました。

入城は渡櫓からです。天守閣へ入る時は土足厳禁です。またスリッパも用意されていますので、利用することも出来ます。

中に入るとちょっとした展示物を眺めつつ、天守の内部を十二分に満喫する事が出来ます。飾り気のない廊下、木目の美しい柱、無骨な天井など、木造建築の美しさと共に戦国当時の城を味わえます。また所々に弓矢や鉄砲を放った、矢狭間や鉄砲狭間が数多くあるのが目につきます。これらの武器を使う事を想定して造られた城というのが、よく分かります。これらは天守閣に100以上も設けられている様です。

さらにこれらの構造と関連して、天守二階は鉄砲蔵として鉄砲が多く展示してあります。戦国当時の火縄銃から江戸時代の火縄銃など。また変わったところでは脇差しの鉄砲なども展示してあります。実物だけでなく、鉄砲を造る工程も説明がありました。木でもって台(?)を作り、鉄を打って形を整えて・・・といった感じで。また攻城戦に用いた大筒もありますので、一度は観てみる価値は十分にあります。

松本城 天守閣の最上階からは、松本周辺が見渡せます。また天気が良ければ、間近で北アルプスも眺める事が出来るので、歴史に興味が無い人でも十二分に登ってみてください。ただ階上へ階段が急なので、注意してください。また一部では頭をぶつける可能性もあります。

順路通りに廻っていくと、最後に月見櫓を通ります。ここは他の作りとは違って、三方が吹き抜けになっています。ちょっと豪華な感じの櫓であると思ったら、将軍徳川家光を迎える為に増築されたとか。実際に家光公が訪れたかどうかは、定かではありませんが将軍の為に増築したとなれば、当時は豪華絢爛な仕上がりだったのでしょう。ただ天守とは違ってあまり、戦国の香りはしない所です。

同じ敷地内には他に、二の丸御殿跡、そして松本市立博物館があります。二の丸御殿跡は、その名から想像できる様に、かつて二の丸があった事を示している所です。今では案内版からどこに、どの様な部屋があったかしか想像出来ないのが残念です。また松本市立博物館では、松本の歴史が分かる展示物があります。縄文時代からですので、古代史に興味がある人でも楽しめると思います。

実は今回で三度目の訪問に成ったわけですが、はじめて天守の中を時間かけて廻ってみました。やっぱり何度訪れても良いところです。今回は平日だった為か、展示物の説明書きもゆっくりと目を通せました。さらに天井から柱、城からの景色も堪能出来ました。休日などは訪れる人も多いでしょうから、比較的人の出が少ない平日に来城することをおすすめします。


 
■写真



 
■情報
別 名 :深志城
所在地 :長野県松本市
築城年 :文禄元(1593)年
関連武将:石川数正、石川康長

■アクセス
鉄 道 :JR中央線松本より徒歩20分
くるま :中央高速道路松本ICより15分