久保田城

■久保田城散策

秋田県秋田市にある千秋公園辺りにあり,江戸時代には佐竹氏二〇万石の居城であった久保田城。秋田駅からは歩いて15分ほど。街中にあるその一角には木々が生い茂り,また小高い丘のようにも見える。

大手門通りより堀を越え,土塁を縫って歩んでいった先が二の丸跡。開けた公園になっており売店なども設置されているのだが,しかし訪れた日にはしまっていた。

通常であれば唐金橋跡にて堀を渡り黒門跡や,中土橋通り経由で二の丸跡へでるのだろうが,事前知識がなかったので,こうなってしまった。

まずはそこにある佐竹資料館を見学。あまり広くない展示室に,それ相応のモノが展示されていた。

隅櫓 次に丘の上にそびえ立つように建てられている久保田城表門へ向かうことに。二の丸からは鈎の手に曲がる様にして石段を登りそして,目の前に土冷え立つのが表門である。

久保田城表門の手前には御物頭御番所が再現されて建てられている。ちなみにこの番所は中も見学が出来るのだ。城下の警護をおこなっていた組頭の詰め所となっていたとか。戦国時代とは関わりないのだが,江戸時代の情緒を残している数少ない遺構でもある。

久保田城の見所の一つである表門。雪の降る季節には屋根からの落雪を危惧し,門を通ることができないらしい。これは平成一三年に,絵図や発掘調査の結果などを参考にして復元が行われた模様。

訪れた当日は八幡秋田神社と思われる社殿が,火災かなにかで焼け跡となっていたのだが,その脇の土塁の上を渡りあるき久保田城のシンボルとなっている御隅櫓へと向かった。

ちなみに久保田城には全部で御隅櫓が8つ存在していたそうだ。そのうちの一つを復元し,また資料館として利用されている。ここには主として秋田藩ならびに藩主であった佐竹氏の功績をたたえているようだ。

この櫓は平成元年に市制一〇〇年を記念して建てられたそうで,本格的に復元をしたというわけではない。よく観光地の城跡に見られる様な資料館と展望台をかねているのだ。

この展望台からは久保田城址はもちろんだが,秋田市内を見渡せる。当日は冷たい日本海からの風が強く,あまりゆっくり見物とはいかなかったのだが。景色はよいらしい。

本丸は現在,千住公園として広く市民に親しまれているのでしょう。
 
■久保田城小史

佐竹義宣が出羽へ転封され,はじめ湊城を居城としていた。しかし防衛上の問題から湊城の南東に位置する久保田神明山にあらたに城を築いた。それが現在までのこっている久保田城のはじまりである。慶長九(1604)年にできあがったこの城を佐竹氏が本拠とし,以来明治時代まで秋田藩の中枢の役割を果たした。久保田城には天守は存在せず,その代わりに櫓がおかれていた。また当時は石垣がなく,土塁による縄張りが行われていたとか。
 
■情報

所在地 :秋田県秋田市
築城年 :慶長九(1604)年
関連武将:佐竹義宣