■八王子小史
天正一五(1587)年に北条氏照により築城された。従来の本拠地であった滝山城。武田信玄が小田原攻めを行った永禄一二(1569)年,北関東からの防衛に限界を感じた滝山城に変わりって,築城された城である。この八王子城は中央で覇を唱えつつあった織田信長の居城である安土城を参考にして縄張りが行われたといわれている。
天正一八(1590)年,上杉景勝や前田利家,真田昌幸といった諸将の軍勢に攻められ,6月23日に落城した。城主の氏照はこの時,兄氏政らと共に小田原城にいたため,城は横地監物や,狩野主膳らおよそ一〇〇〇人で守っていたと言われている。
落城後は廃城となり,徳川時代以降は人の手が加わることが無く,戦国の城の雰囲気を現代に残す数少ない城である。
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