川辺川 2000.3.17〜3.20

日本3大急流に一つ球磨川。そして、その最大の支流川辺川。日本一の清流ともいわれるこの川辺川を、五木村頭地地区から人吉まで、カヌーで下ろうと訪ねてみました。

しかし、今回のツーリングは、とにかく誤算が多かったです。事前によく調べておけば良かったのですが、水量が少ないうえに、発電のための取水による流量不足。初日は、頭地からダム建設予定地まで下るつもりだったのですが、カヌーでは航行不能。ずっと下流の大正橋の下からなら、何とか無理すればカヌーで下れそうなので、その日はカヌーを出すこともせず、大正橋のたもとでキャンプ。

2日目は、天気予報のとおり。朝5時過ぎに降り出した雨は、夕方近くまで降り続き、あえなく同じ場所で連泊。雨が上がったところで、大急ぎでカヌーを組み立て、少しの時間でも漕いでいたいとの思いから、大正橋の上流の澱みに漕ぎ出す。

清流とは言い難い透明度の低い水に閉口し、周りの木々を遊び歩く猿たちに驚かされたのち、キャンプ地に再上陸しようとした時、何とこともあろうに、大切なデジカメを水中に落としてしまった。何たる不覚。

川下り開始は、3日目(最終日)の朝7時半。漕ぎ出すやいなや、岩につっかえてカヌーを抜け出す。まだ冷たい早春の水に、たっぷり浸かりながらのライニング。川底がつるつる滑り、歩くのも容易ではない。

何度かライニングした後、六藤の発電所をを過ぎると、長いパイプを通ってきた水が川に戻され、水量も十分になる。こうなると底を心配することもなく、快適にパドリングができる。ダイナミックな瀬が連続して現れ、ざぶんざぶんと、水を浴びながら、乗り越えてゆき、興奮は高まります。

だが、間もなく現れた大きな堰を越え、これに続く滝のような落ち込みをポテージしたところで、精根尽き果てしまった。10時過ぎに観音橋で、今回のカヌーツーリングは終了。

こんな苦難に満ちた川辺川ツーリング。さぞいやな思い出になったと思いきや、終わりよければ全て良し。帰り支度をする連れ二人をよそに、カヌーから降りるのを惜しんで、ぷかりぷかり。雲一つない穏やかな春の光の中、水質も回復し、きれいに澄んだ観音橋周辺の瀞場にのんびりカヌーを浮かべた約30分。何物にも代え難い心地良さ。

ああ、川辺川に来て良かった。稚魚達の群が踊る。セキレイが飛び交う。春爛漫。

交通(当時の私のルート)

広島発  22:57 → 0:02 三原着、発 0:32 (あかつき) → 6:05 博多着、発 6:57 (つばめ) → 8:19 熊本着、発 8:21 → 9:48 人吉着 → 車で五木村へ

人吉発  13:20 → 14:33 八代着、発 14:37 (つばめ) → 16:15 博多着、発 16:35 (のぞみ26号) → 17:36 広島着


川辺川 清流を探しに

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