海部川 2001.4.28〜4.30

海部川は徳島県南部を流れる胸のすく清流である。高知県との境の貧田丸付近に源を発し、海部町奥浦で太平洋にそそぐ全長36.3キロのダムのない川。中流域にある海南町では、海部川清流保全条例を制定し、清流を守るために町民全員が努力を惜しまないという姿勢を明確にしています。

 「毎年この時期は水が少ないが、今年は特別じゃ。何十年ぶりじゃないか。」
 「水が少ないんで、今年は鮎の稚魚も放流しとらん。」
 「今年は冬から雨がふらんかったからなぁ。」

この時の海部川は、カヌーを楽しむには十分とは言い難い水量でしたが、その水質は申し分なく、心から堪能できました。

透きとおる水。川のどこをとっても、どこから見ても、どんな深さの淵でも、底の玉砂利がはっきりと見透かせる一級品。川の表情はその時々違うので一概に比較はできませんが、この海部川、私がこれまでに出会った川の中では、文句なしのナンバーワンです。

今回の2泊3日の川旅は、2日目が終日雨でカヌーをしなかったこともあり、実際にカヌーに乗って下ったのは、小川口から若松大橋までの10キロ程度。距離としては短かったですが、心から楽しむことができた満足いく旅でした。

川を大切のする地元の人たちは、旅人である私たちも大切にしてくれました。初日は上陸ポイント樫ノ瀬で、おとりあゆ屋のご主人に上流まで連れて行っていただきましたました。

最終日もゴール地点の若松橋近くの民家のご主人に、樫の瀬まで連れていっていただきました。このご主人に、「カヌーだったら四万十川にも行かれましたか。あそこもきれいでしょう」と問われましたが、「はい。でもこの川のほうが断然きれいですよ」と答えたときのご主人のなんとも誇らしげな笑顔が印象的でした。

お世話下さいました方々、本当にありがとうございました。

 

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