TRPG日記(99年10月)

 

 10月21日
使用システム:トーキョーN◎VA The Revolution
使用キャラ:雅原志津江(人間:女性:エグゼク◎、ミストレス●、クロマク)
       神代 霞(人間:女性:ニューロ◎、ハイランダー=ハイランダー●)
参加人数:3人

 何とびっくり、史上初の一人二役に挑戦しました。参加人数も3人と少な目の中で、4人のキャストが活躍。なかなか新鮮な体験でした。自分のキャスト同士の絡みや会話に非常に苦労しましたが、上手く協力することが出来るという点ではなかなか。でも演じ分けが難しいので、出来ることなら担当キャストは1人に限定したいところです。

 千早重工の営業部員である夏目氏が千早のアーコロジー内で襲撃され、その時商談をしていたC.F.C.の井上氏と共に殺害された。その場に残された血痕から、犯人はフリーランスの猫村梢であることが判明。志津江はその調査と千早の名誉を守ることを要請され、査察部の綾辻さんと共に調査にあたることになった。商談の内容を探ってみると、どうやらクローン技術に関する技術提携の事だったらしい。一方霞はニュースを見ていてこの事件を知り、お金になりはしないかと情報収集。夏目氏と共に殺された井上氏は、几帳面で協調性を過剰なほど重視。そのため部下ともめたこともある人物であることが分かる。このときもめた部下というのが田中良子という人物で、このことがきっかけで左遷された事も分かった。田中女史はヒステリックな女性で、キャリアウーマン、もういい年なのだが結婚はせずに仕事に打ち込んでいたという。
 霞がさらに調べていくと、この田中女史はクローンの急速培養と遺伝子合成技術を持ったままどこかの会社に引き抜かれており、C.F.C.がその行方を探っていることが分かった。実際、C.F.C.の三崎という人物が田中女史の行方を極秘裏に探して欲しいと依頼してくる。
 志津江はカゲムシャの紅丸に同じようなことを調べさせており、情報量としてはほぼ霞と同じようなことをつかむ。その上で猫村さんに連絡を取って、千早が犯人として追っていることを明かさないままに、スカウトしたいという口実の元で千早の本社で面会する約束を取り付ける。
 一方C.F.C.の三崎氏は、田中女史の手がけたクローンが猫村さんの元にたどり着いていることを突き止め、協力を要請するために自宅を訪れる。数日前に自分そっくりのクローンを暴徒の手から救っていた猫村さんは、C.F.C.に協力することを了承。田中女史の握っている研究内容を奪い返すかあるいは破棄することで契約は成立した。  ここで霞が田中女史の引き抜き先(イワサキ系の大石クローン研究所)を探り当てて、猫村さんにリーク。その後三崎氏にも伝える。ここで猫村さんは田中女史の居るレッドエリアの研究所へ向かい、会う約束をしていた志津江は待ちぼうけ。ここで霞がお金目的で千早にもこの情報をリーク。志津江は部下の綾辻さんと共にようやく研究所に向かい、入り口で猫村さんとクローン、三崎氏に遭遇。一行はとりあえず共同戦線を張ることにして研究所に潜入する。途中、培養器に入れられた大量のクローンを発見。猫村さんのクローンも16人いた。そしてNo.9だけが空であり、問題の猫村さんクローンはここから来たことが判明する。そこにいた研究員を尋問した結果、これらのクローンは記憶を転写した後に洗脳しており、完全なる戦士として伝番を待っていること、猫村さんクローンは洗脳前に停電が起こって脱走されたことを知った。。やむを得ず培養器の生命維持装置を切ることにする一行。そして奥の部屋には田中女史が。
 襲ってくるクローン2体。しかしこれを退ける一行。と、いったん死んだと思われたクローンが復活し、完全に錯乱状態で田中女史に攻撃を仕掛ける。九死に一生を得た田中女史の身柄は綾辻さんが確保してクローンは再び葬られた。
 事件は田中女史の引き抜きから起こったようである。引き抜かれた先で「千早を目標に研究成果を確認しろ」と指示された女史は、ついでにC.F.C.で上司であった井上氏に報復することを思いついたらしい。井上氏にしてみれば協調性を重視した当然の人事であっただろうが、当事者はそうは思わなかったようである。

 一人二役だったのでどちらにどれだけの情報が集まっていたのかがごちゃごちゃしてしまいました。また、片方が得た情報をいかにもう片方やもう一人の操るキャスト(これまた二人)に伝えるかに苦心しました。
 しかし最近のシナリオの傾向として、ラストシーンを推察するに十分な情報を得ることが出来るということがあげられると思います。これは特筆すべき事でしょう。今まではラストシーンで明かされるまで、事件の全貌を知ることが出来なかったことがほとんどだったのですから。
 ルーラーは最近めきめきとN◎VA力(のう゛ぁちから)を付けてきたことが実によく分かるシナリオを展開。特に戦闘時の技能組み合わせには悩まされました。シナリオもシンプルな中に深みがあってよかったと思います。
 もう一人のプレイヤーも初めての一人二役だった割には頑張っていたと思います。ただ、綾辻さんが上手くはなしに絡めなかったのは残念。もう少し上司(部署は違いますが)である志津江が上手く活躍させてあげられれば良かったなぁと反省することしきりです。

雅原志津江「千早の名誉は守られたけれど、いつになったら営業らしい仕事が出来るのかしら……」

神代 霞「……情報はお金。世の中には、そのことに気づかずに情報を漫然と浴びている人が多いなぁ。」

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 10月17日
使用システム:トーキョーN◎VA The Revolution
使用キャラ:神代 霞(人間:女性:ニューロ◎、ハイランダー=ハイランダー●)
参加人数:6人

 今日のTRPGを一言で表すなら「試行錯誤」でしょう。
 最近TRPG掲示板において、TRPGのあり方、仲間内の問題点などについて様々な意見が交わされています。まだまだ「これだ!」という結論には達していませんし、そのようなものがあるのかどうかも分かりませんが、今日のアクトはより良いTRPGを目指したものでした。

 今回は久しぶりに「神代 霞」の登場。企業人が求められていたようなのですが、あまりに霞が登場していないのと、たまには違うのがやってみたいと言うことで選びました。
 霞がテレビを見ていると、GCIという企業の研究開発部主任マキノエイイチ氏一家が行方不明となり、エイイチ氏とその妻が死体で発見されたというニュースが流れます。一人息子のセイラ氏は依然として行方不明。
 情報屋っぽいことで生計をたてている霞は、一応興味を持って情報収集にあたります。その結果、誘拐と殺人は身代金目当てではないこと、エイイチ氏はナノマシーンの研究をしていたこと、研究内容はエイイチ氏が個人で持ち歩いていたこと、その研究は様々な方面から狙われていたことが分かります。また、どうやら誘拐にはアシッドボムという犯罪組織が関わっていたこと、そのボスは統流(すばる)という名前であることも分かりました。
 一人動いていたところ、千早(大企業)の社員やその他大勢で構成された雑多な一行から「情報を教えて欲しい」と電話が入ります。どうやらアシッドボムについて調べている人をあたっているようです。霞はまだ少し調べておきたいこともあったので、翌日に会うことで合意。GCIについて調査を始めます。様々な企業に狙われていた中で、特にN◎VA軍が興味を持っていたことが判明。また、N◎VA軍はアシッドボムにも接触していたことが分かり、霞はN◎VA軍が背後にいることを確信しました。さらにアシッドボムがまだ動いている(霞を除く一行と派手な戦闘を繰り広げていました)ことから、息子のセイラ氏が研究内容を何らかの方法で持っているであろうと目星をつけます。
 翌日、霞は自分のクローンを待ち合わせ場所に向かわせます。その場で、どうやら千早の人物が研究内容を欲しがっていることを確認。研究内容を入手してGCIに売り、それと同時に千早にも売りつけるという基本路線で行くことに決定しました。千早の人間を除く一行相手に自らの情報収集の結果と推論を話す霞。交換条件は、もちろん研究内容を霞が最初に見るというものです。
 霞以外の人物は、セイラ氏の記憶の封印という可能性を追ってアシッドボムの本部へ。が、封印を解くカギのようなものは全く見つからず、どうやら体内に埋め込まれているであろうという結論が導き出されます。それをトロン(コンピュータ)の端末から電子的に見ている霞。一行は千早のエージェント(NPC)や社員(キャスト)と千早の病院に連れていくか否かで大いにもめ、一色触発の状態に。そこへ霞がやってきて「ここに情報を解くカギがあり、今ここで外科手術をして埋め込まれているものを取り出す必要がある。情報はすぐに渡すから自分に任せろ」と言ってレスキュー隊を呼び、その場で霞一人の立ち会いの元外科手術を行います。最近の手術跡はすぐに発見できていたので、目的のものはあっさり入手。その場で研究内容を確認した霞は、それをすぐにGCIに転送してしまいます。
 結局、GCIから謝礼をもらう一方で、千早からも協力感謝費をせしめることに成功。普段霞がどのような方法でお金を稼いでいるかがよく分かるアクトになったのでした……。

 プレイ時間は約5時間。相も変わらず非常に長いアクトでした。が、内容はいつもよりはずいぶんましであったように感じました。
 まず第一に自力で謎が解け、終わった後まで謎が残らなかったこと。これによって達成感がいつもの数倍ありました。
 第二に元ネタに関する話や雑談が少なく、プレイヤー全員に「ちゃんと進めよう」という意志が感じられたこと。もしそうでなければさらに長い時間がかかったでしょうし、終わった後の満足感ももっと少なかったのではないかと思います。
 第三にキャストが非常に生き生きしていたこと。キャストが自分の考えを主張したりした分時間が長くなってしまった面もありましたが、「時間もないし」とか「プレイヤー同士は協力しないと」という考えに基づかなかったため、アクトが非常に現実味を増したように思います。人間味あふれるアクトになったのではないでしょうか。
 逆に、自分たちの欠点も見えてきました。やはり推理するのは苦手なようですし、正しい行動を見つけだすまでの時間が非常に長いのです。
 前者については、ルーラー(GM)が勝手に進めてしまうシナリオや、誰かが語ってくれるシナリオに慣れてしまっていたせいだと思います。それはそれでよい時もあるのですが、もっとプレイヤーやキャストが考えるようになればいいなぁと思いました。少なくともその第一歩は踏み出せたのではないでしょうか。
 後者については、経験不足に起因するところが大きいのではないかと思います。どのような場面でどのような行動をとればよいのか、また、N◎VAにおける人と人との関わり方に苦心するあまり、どうしても結論を出すまでに時間がかかってしまったのです。これは何度もやっているうちに分かってくるでしょうし、「間違えてしまう」ことも立派なロールプレイなのだという気持ちで失敗をおそれずに行動することもまた必要なのではないかと思いました。もちろん、失敗してはいけない場面では話は別なのですが。何にせよ、行動はスムーズに行えると良いなぁと思いました。
 最後に、そのアクトについていろいろと言い合うような時間がこれまではほとんどありませんでした。が、TRPG掲示板でいろいろと意見の交換をしているせいか、今日は終わった後に実にいろいろなことを話し合いました。このようなことが次回以降につながっていくのではないかと思います。ただ漠然と遊ぶのではなく、どうせ遊ぶのなら楽しさを追求したいというのが私の考え。これからも現状に満足することなく、楽しいTPRGややりがいのあるTRPG、そして意外性のあるTRPGを目指して試行錯誤していきたいと思います。

神代 霞「……報酬の二重取り? 何言ってるの。感謝されるのは当然だよ」

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