TRPG日記(99年 6月)

 【6月26日の日記の追記(99年6月29日)】

 6月26日の日記が、なんだかシナリオの説明みたいになってしまったので追記したいと思います。
 まずはオープニングフェイズ(導入部)。各人がそれぞれの立場から「NTS社長」の狙撃事件に遭遇します。長くなるので省きますが、各人がそれぞれの理由から事件の背景について捜査を開始。紆余曲折だったものの、事件のおおよその背景をつかむことに成功します。
 ところが大変だったのはここから。背景がわかったものの何をすればいいか分からないキャストたちは、ファンタジーの王道「勧善懲悪」へと歩み始めてしまいます。しかも、直接「退治」するべく……。実行部隊の正体をつかんだキャストの一人が、何と(身分を偽りながらも)実行部隊の長に堂々と接近。「すべてを知っている」と脅しをかけますが、相手は「何のことやらさっぱり」の一点張り。このキャストははったりをかけ続け、「今夜、埠頭で待つ」と言い残して去ります。ちなみに、この時点ではこの実行部隊の長が黒幕だとみんなが考えていたようで、その背後にいた「和光技研」の「ランス・コップス」に気がついていたのはたったの一人でした。
 この辺で私がN◎VA世界について説明。また、一般的な企業抗争やN◎VAにおける行動の説明などを行いました。こういうことをするのはどうかと思ったのですが、このままだとシナリオの最後まで行き着かない上に、「N◎VAもファンタジーと同じ行動をすればいい」と誤解されそうだったのであえて説明をしました。後者の理由がなければシナリオ自体を変えてもよかったのですが。何とコネ判定で「千早(N◎VAの大手企業)」社長に事件の裏を語らせるという力業も使ってしまいました。あまりよくなかったですね。
 ようやく背後の黒幕に気がついた一行は、呼び出しておいた実行部隊の長と交渉を行ってその協力(黒幕にはもう力を貸さない)を取り付けます。事実関係をマスコミに「暴露」したキャストがいたため「ランス・コップス」は失脚し、NTSは無事に新商品の発表を行うことが出来たのでした。

 という感じにアクトは進んだのですが、少しはアクトの様子がお分かりいただけたでしょうか? ルーラーとしてはかなり甘めだったと思います。特に確実な証拠のないまま実行部隊の長を脅したことに対する反応は格別でした(苦笑) 本当なら生きて長の前から帰ることは出来なかったでしょうし、証拠無しの脅しで呼び出されてものこのこ出かけるようなことはなかったでしょう。むしろ、大人数で待ち伏せして一気に抹殺してしまったと思います。この辺、手加減だとプレイヤーが感じてくれているといいのですが……。もしこのプレイを今後の参考にされてしまったらどうしましょう。うーん。その時は容赦なく抹殺ですね(笑)
 昔対談をした鴻さんに「N◎VAのルーラーをやるコツは?」と聞いたところ「手加減無用」とのお答えだったのには非常に納得できました。手加減しないでも意外とバランスが保てます。それに、手加減無用の方がプレイに緊張感が出ますし。私自身、プレイヤーキャラクターを殺すことに若干の抵抗があるので、今までは少し緊張感が薄れていたようです。もちろん目の敵にして殺すことを目的にはしませんが、「残念。君は死んでしまったよ」といい意味で冷静に言えるようになりたいと思いました。

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 6月26日
使用システム:トーキョーN◎VA The Revolution
参加人数:6人

 今日は夕方から合唱団の練習に行く予定だったのですが、結局長引いてしまったために行きそびれてしまいました。うーん、こんなことではだめだなぁ……。

 今日は初めてトーキョーN◎VAのルーラー(ゲームマスター)を経験。その割には下準備が全然足りなくて、シナリオは結局ルールブックのp.282に載っている「小さなお願い」というものを使うことにしました。登場人物のデータもすべてルールブックから抜粋。かなり手抜きですね。おまけにルールの把握やアクト(シナリオ)の進行も初めてということもあってちぐはぐ。開始から終了まで何と6時間という長い長いものになってしまいました。
 【背景】(キャストに合わせて、いろいろと設定を変えています)
 ミリアという少女の父グレイ・ニールセンは零細企業「NTS」の社長。と同時に、オフィス・スターライトの会長でもあります。この会社は小さいながら良質のバイクを商品化していることでその道ではそこそこ有名。今回、非常に画期的な(何が画期的かは未定(苦笑))バイクの開発に成功し、これを発表しようとしていました。ところがここに立ちはだかったのが大手の「和光技研」 この会社はついこの間、特に目新しくないバイクをごり押しで大々的に売り出したばかり。もしNTSの新製品が発表されればせっかく売り出し始めた商品はたちまち時代遅れになり、多大な損害を受けてしまうだろう。責任者のランス・コップスは危機感を覚え、NTSに対して強引なM&Aを仕掛けるが失敗。このため、社の荒事を処理する部署に脅迫や襲撃を含めた阻止行動に出たのである。

 様々な形で事件に関わったキャスト達でしたが、トーキョーN◎VAは2回目、さらにサイバーパンクになれていないせいかさっぱり進展しません。情報収集も見当違いな所を調べることがほとんどでさっぱり核心に近づきません。そもそも自分たちが何をすべきなのかも分からない状況。それでも何とか事件の概要らしきものをつかむことに成功します。ところが裏付けが取れないことに業を煮やした一行は、そのまま実力行使に出そうな気配。ルーラーである私は、とりあえず「トーキョーN◎VAの楽しみ方」をレクチャーすることにします。一般のファンタジーTRPGとの違い等を説明し、N◎VAではどのような行動が求められるかをネタをちょっとばらしながら解説。これでようやく方向を見いだした一行は、別の大企業から裏情報を仕入れ、さらに事件の実働部隊の長の協力を取り付けることに成功。これによってランス・コップは失脚し、NTSは無事に新商品の発表を行うことが出来たのでした。

 ルーラー初体験ということで、どのようにアクトを運営していけばいいのかにとまどってしまいました。キャスト達は途中右往左往していましたが、この辺ももう少し上手く誘導できたのではないかと反省。ただ、ファンタジーでの方法が通用しないということが分かってもらえたようなので、次回からはもう少しスムーズにみんな行動できるのではないかと思います。
 長かった割にはプレイヤーがずいぶん集中していてくれたのが非常に助かりました。

神代 霞「……私の出番はー?」

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 6月20日
使用システム:トーキョーN◎VA The Revolution
使用キャラ:神代 霞(人間:女性:ニューロ◎、ハイランダー=ハイランダー●)
参加人数:7人

 合唱団の練習を休んでTRPG。なんていけないことなんだろうと思いつつ、このままでは6月にTRPGをしない気配が漂っていたので参加しました。システムは初のトーキョーN◎VA。以前biglobe(パソコン通信の方)で話題になったときに買って以来、全く手をつけていなかったルールです。おかげで、唯一のルール保持者にもかかわらず最初のうちはさっぱりルールが分かりませんでした。
 ルーラー(ゲームマスター)は、大学の方でN◎VAやったことのある人。ルールは重要部分をコピーしたものを見ながら。経験者はルーラー一人。なかなか難しいシチュエーションでしたが、目新しいルールということで微妙な緊張感があってよかったと思いました。
 まずはキャラの作成。とりあえずニューロとタタラを取りたいと思いましたが、ハイランダーにも惹かれました。で、ハイランダーの特技に惹かれて上記の通り、「ニューロ◎、ハイランダー=ハイランダー●」というキャストが誕生。肉体戦闘は全く出来ない、バックアップ型のキャストです。ハイランダーはちょっと強力で特殊なキャラなので使うにはルーラーの許可が必要です。一瞬どうしようか迷ったのですが、「破壊的な技能の使い方はしない」と自らに制約を与えて使うことにしました。
 シナリオ開始早々、いきなり自分の家に変な全身銀色のドロイド(人間型ロボット)が送られてきます。そして、別な人の所には「そこに送られたことは分かっているんだ」と恐喝まがいの電話。どうやら運送屋が配達先の住所や実際に配達する場所を間違えたようです。とにかく手がかりがないのでうろうろしていると、ドロイド会社を新たに作ろうとしていた人物が自らの結婚式で殺されてしまいます。このあたりからあれこれ探っているうちに、別な人の所に今度は金色のドロイドが送られてきます。このあたりから、殺された人物はどうやら千早(会社名)の裏帳簿などのデータをドロイドに乗せて横流ししていたらしいことがぼんやりと判明。紆余曲折のあげくに、データ回収に来た人たちを返り討ちにしてマスメディアにこの情報を流すことに。が、別なキャストの「自分の所に来たドロイドに被害が及ばないように」とその情報をもみ消してしまったため、事件は闇に葬られてしまったのでした。

 ルーラーはさすがに大学でやっているだけあって、N◎VAに慣れていたと思います。ただ、プレイヤーはN◎VA特有の「その場に登場するのに判定が必要」とか、「たくさんのシーンに登場すると経験点が多い」「神業は上手く使うと経験点になる」というシステムに右往左往していたような気がします。結果、自分が活躍するために他キャストの邪魔をする場面が多く見受けられました。このあたりは、もう少し慣れてくれば何とかなるのでしょう。
 もう一つN◎VA特有の、「シーン」。これの切り替えがやや鈍かったような気がします。最初のうちは個々人にスポットが当たっているのでさほど問題がないのですが、後半になるにつれてどこからどこまでが1シーンなのかがはっきりしなくなり、結果としてややメリハリに欠けたような気がしました。このあたりは、ルーラーがぴしっとシーン転換をさせる必要があるのかなぁと思います。また、慣れていないせいもあるのでしょうが、あるキャストにスポットが当たっているとき、そのキャストが考えすぎてシーンを長引かせる場面が多かったような気がします。「他にすることある?」「えーとねぇ……」というやりとりは(自分も含めて)多く見受けられました。このあたりは、お手軽ファンタジーで馴れ合いをしていたツケが回ってきたように思います。よく考え、素早く判断して行動する。たったこれだけのことがいかに難しいかを実感しました。また全員が面識のない状態だったので、各キャスト同士の関係にとまどった人が多かったようです。普段ならば「パーティー」としてまとめられているため言い放題、相談し放題なのですが、みんなが他人となると嫌でも自分で考えて自分で行動しなければなりません。このあたりも最近欠けていた部分であることが実感できました。
 自らのロールですが、ニューロとハイランダーという割にはかなり行動的だったと思いました。これは、N◎VAを全く知らない人がほとんどだったために見本となるべく動いたのが主な原因です。もう少し言葉数が少なく、はかない感じのキャラを目指すつもりだったのですが……。結局1回も神業が使えなかったのも心残り。コンピュータは出てこなかったから壊しようもなかったし、別キャストがハイランダーだったので重なってしまい使えなかったのも原因ですが、やりようによってはもう少し上手く使えたような気がします。そのほかの技能の使い方に関しては、まぁまぁ満足。特に、トロン技能は他の人が軒並み持っていなかったこともあって有効活用できたと思います。ハイランダーの特殊技能としていろいろと影から行動したり、あるいは情報収集に役立ちそうなものを多く持っているので、これを次会以降はもう少し生かしたいですね。
 次回は自分がルーラーをやる予定なので、これらの反省点をしっかりとふまえつつ、よりレベルの高いシナリオ&マスタリングを目指したいと思います。

神代 霞「……やれやれ。楽しかったけど、実入りのない事件だったなぁ」

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