TRPG日記(00年 8月)

 8月18日
使用システム:トーキョーN◎VA The Revolution
使用キャラ:神代 霞(人間:女性:ニューロ◎●、ハイランダー=ハイランダー)
参加人数:6人

 ZOROの緑さんをお迎えしてのトーキョーN◎VA。N◎VAでプレイヤーをするのは実に4ヶ月ぶり。本当に久しぶりのN◎VAでした。あまりに久しぶり過ぎて、ロールプレイが今一歩だったのが残念です。やっぱりある程度頻繁にやらないと「キャラクターが降臨する」のは難しいようです。

 とあるコンドミニアムを見下ろせるビルの屋上。一人の女声が望遠レンズでコンドミニアムを見下ろしている。霞とも知り合いのケリーというトーキーが、特ダネを狙って射るらしい。
「これはスクープですわ」

 霞はいつものように電脳世界であちらこちらを散歩中。ふと目に付いたのは、イワサキだった。情報処理課をふと覗いた霞は、そこで「ハスターという会社と千早が取引をしようとしている。その内容を探れ」と部下に命じている姿を目撃。ハスターとはクトゥルーで言う旧支配者のことで、武器や麻薬の密輸組織であり、千早と組んで何かをしようとしているらしい。「これはお金になるかも」と、いつもの通りチェックして霞はそこを後にした。

 今日本にヴィルヌーヴの大物俳優ジャック・ミラー(35歳)がやってきているというニュースに割り込む形で、新たなニュース。ケリーが撮っていたらしい映像が流れる。それにはジャック・ミラーが綺麗所とラブラブな様子が映し出されていた。
「ジャックに新愛人か?!」

 ややすると、ケリーが霞を訪ねてきた。知り合いの佐藤一郎と野々村七瀬も一緒である。ケリーは「預かって欲しいものがある」と言い、画像データを提示した。ジャック・ミラーのスクープ映像が収められているのだという。それならばもうニュースに流れたから保管する必要があるのか、という事を疑問に思いつつも了解する霞。さらにその場で野々村からハスターの情報を2日で調べて欲しいと頼まれる。霞はこれも了解し。いつものように仕事に取りかかるのであった。

 霞が調べたところ、ハスターとは情報通で神出鬼没、どんなところとも取引をする謎のボスと、レッガーで取引を取り仕切るコナーが中心となっている組織であった。それなりに前から存在しており、徐々に勢力を拡大したらしい。N◎VAでは秋川会系と組んでいるため、河渡系とは仲が悪いらしい。
 また、ジャック・ミラーについても独自に調べてみたところ、世界を股に掛けて活躍している俳優であり、歌も歌うという。紛争地域にも良く行き、女性関係のスキャンダルを引き起こすことが日常茶飯事。N◎VAには映画の封切りに合わせてやってきたらしい。

 霞は久しぶりに生身で外出。そこで佐藤一郎とケリーに会う。他のプレイヤーキャラクターも勢揃い。喫茶店『北風』に行って話をすることになるが、そこに突然ロン毛でグラサンのレッガーがトループを引き連れてやって来る。これこそがハスターの取引を取り仕切っているコナーであった。
 「マスターテープをよこせ」とケリーに迫るコナー。コナーによれば、マスターテープにはニュースでは流れることのなかった未公開カットが含まれているのだという。しかし佐藤一郎の完全偽装でマスターテープの存在は抹消され、「ラッキーホラーショウ」に渡したという虚言を信じてコナーは店を出ていく。

 一行はそのまま一郎の家に行き、マスターテープを見る。放送時はコンドミニアムの窓一つがアップで写っているだけだったのが、マスターテープでは隣の窓も同時に写っていた。野々村がアレンジで画像をはっきりさせると、隣の窓では命乞いをしているイヌの頭を吹き飛ばすコナーの姿が。イワサキ電線の課長、風月の情報によれば4日後に某埠頭で取引が行われるのだという。その現場を押さえればハスターはぐうの音も出ずに壊滅するだろう。

 そして4日後。貨物船が埠頭に停泊している。どこからともなくリムジンが現れて貨物船脇に停車、乗っていた人々はそのまま貨物船に乗り込んでいく。ヴィジョナリーでその様子をとらえていた霞だったが、肝心の音声は届かない。そこでネメシスを使ってたまたま盗聴器がセットされていたことにする。これで音声も映像もばっちりである。ちなみに盗聴器は軌道からつるされたマイク。気づかれないことが不思議なくらいの盗聴である。
 映像にはコナーが映っていた。見えない位置にボスらしい人物も見受けられる。コンテナが運び込まれて商談が成立したようであるが、残念ながら中身が見えないのでこれだけでは決定的証拠にはならない。そこで一計を案じたプレイヤーサイドはカタストロフでどこからともなく氷山を呼び寄せ、貨物船を沈没させてしまう。そのさなかにコンテナも破壊されて中身を写すことに成功。しかし同時に風月の所持していた屋形船も巻き込まれて沈没してしまった。

 そして舞台は埠頭へ。トループの一人は「ローザ!」と言いながら海に沈んでいく(もちろん元ネタはタイタニックです。この貨物船はタイタニッケだったそうな……)。そこへ野々村が裏読みで登場。こんな事もあろうかと氷山の上から登場する。そしてアスレチックで軌道からぶら下がったマイクをつかみ埠頭へ着地。

 この後は敵味方入り乱れての戦闘。霞はどこからともなくトロン戦を仕掛けられるが、電脳神で相手のトロンを破壊。こちらも電脳神でトロンを破壊されるが、これを機に霞は戦闘から手を引いた。
「ま、こんなところでしょう」
 霞は取引現場を押さえたテープを、面白みはないものの堅実な放送局へと送付。これにネメシスを組み合わせて、難なくスクープ報道に成功。が、いつになくお金に頓着しない結末であった。

 実はこの日、夜に予定があったために途中でアクトを抜けてしまいました。だから終わり方が何となく中途半端なんです。いつもならお金を取って放送局へネタを提供するところなんですけどね。それに、ケリーの名前で送付することも後で思いつきました。きっと霞ならそうしたんじゃないかとちょっと反省。何にせよ、時間に余裕があるときにTRPGはやりたいなぁと思いました。

 最近恒例になりつつある「こんな事ありました」コーナー。
 今日のネタは軌道から下げられた盗聴マイクです。
 霞がネメシスで盗聴するために下げられたマイクですが、このマイクを引っ張ったらどうなるのかが話の焦点に。軌道からコロニーが降ってくるのでは? → それってアクトタイトルが変わっちゃうよ、というのがこの日一番のヒットでした。
 曰く「N◎VA最後の日」「コロニー大地に立つ」
 毎度毎度、良くもまぁこんなにネタがあふれているものだと感心してしまいます。

 

  8月16日
使用システム:Blade of Arcana
使用キャラ:アスタシア・クレーメンバック(人間:女:アングルス・アクシス・ステラ)
参加人数:5人

 初めてのBlade of Arcana! これまで2回ほど参加したことはあるものの、いつも用事があるために導入部くらいで離脱していたのですが、ついにこの日初めて最初から最後まで参加しました。
 以前作ったキャラはシートを紛失してしまったので、新しく作ることに。純真無垢な過去を持ち(アングルス)、宮廷魔術師としてその力量を発揮し(アクシス)、いつしか英雄の導き手たらん(ステラ) というコンセプトで作ってみました。このシステム特有の因縁や因果律などもキャラに合わせて設定。作ったときから妙に思い入れの深いキャラができあがりました。

 アスタシアは王都へ向かって旅を続けていた。その昔自分が住んでいた王都へ、久しぶりに友人に会うために。
 ケイエンタールという街のそばにある宿場町を通りかかったとき、彼女はそこが今まさに襲撃されたばかりであることに気がついた。倒壊し、炎上する家屋。視界の端にとらえた、助けを求める人。何とか救出すると、その人は「巨人が襲ってきたんだ。その巨人の息でこんなにされてしまった」と語る。どうやら巨人の襲撃にあったらしいが、これだけでは何がどうなっているのかを推測するには足りない。どうやらケイエンタールの方角へ向かって歩み去ったことを聞き出すと、アスタシアはとりあえず再び王都へ向かって旅を続けることにした。

 その日たどり着いた宿では、ご多分に漏れずやっかいごとが待ち受けていた。15,6才の少女に酔っぱらいがからんでいたのである。
 「嬢ちゃん、強いやつを捜してるんだろ? 俺たちが力になってやるぜ」
 あからさまな迷惑。そう思ったアスタシアは、「その子を放しなさい」と一喝。星の瞳+交渉はクリティカル成功し、酔っぱらいはとりあえず女の子を放す。すると別な人が「帰れ」と言い、その場はこともなく収まった。が、ここからが実は本当のやっかいごとだった。女の子は、「帰れ」と言った人物の裾をつかんで放さないのである。トレムと名乗った彼女は、巨人が暴れているので倒したいと言い出した。この街のレクスギルドに所属しているという彼女は、巨人を操っているデクストラがいる、と指摘して我々をあおる。目的はお金と正義。前者は理解できるが、後者に関しては本当に純粋に正義を思っているのかどうか疑問である。
 アスタシアはちょうど居合わせた旅の人々と彼女の依頼を受けることになった。彼女はその時から依頼を受けたことを後悔し、そして後になってもやはり悔やむのであったがそれはまた後日の話。

 一行は襲われた街を訪れ、2mほどの足跡を発見してこれを追跡。しかし山の中で忽然と消えてしまっていたために捜索は難航。いったん宿場町へ戻って出直すことになる。
 その結果、
・巨人は鎧を着た人型だった。
・デクストラは街の郊外の屋敷に住んでいて、偏屈なじじいだ。
・領主にドラゴン退治の物品製作を頼まれたのだが、未だに納品していない。
・使用人が買い出しに来るくらいで、人との接触はほとんどない。
・元は武器職人で、郊外には結構前から住んでいる。
・偏屈だけれど、街を襲ったりするようには見えない。
・自分の作品には異様なまでの愛着を持ち、馬鹿にした人物が機械人形の一群に襲われたという話がある。
 という情報を入手。この時点でアスタシアは、デクストラはたまたま犯人と思われ易かっただけで、実は無関係なのではないかと推察。

 一行はトレムと共にデクストラを訪ねる事にした。玄関先で一悶着あったものの、とりあえず面会することに成功。そのとたん、
 「ワシの作ったドラゴンマッシャーは渡さん!」
と言われてしまう。どうやら領主に頼まれて作った物品を自分で気に入ってしまい、納品したくなくなったらしい。巨人については何も知らないの一点張り。ちなみにそのドラゴンマッシャーなるものは3m弱の馬鹿でかい剣で、ドラゴンを倒すことだけを考えて作ってあるために「使えるかどうか」が二の次にされてしまっているらしい。はっきり言って並みの人間では持ち上げることすら不可能だと思われる代物であった。

 そこで突然トレムが、「これさえ手に入れればお前らなどもう必要ない」と言い出す。その言葉に呼応するかのように壁を突き破って巨大な手が!

(ここでプレイヤーサイドが∵呪縛∵を使用。
「お前帰れ!」
「それは……、せっかく手を突っ込んだのに引っ込めちゃうのかなぁ」
結局、∵天真∵でうち消したのでした)

 その巨大な手は、デクストラ渾身の作であるドラゴンマッシャーをつかむと外へと出ていった。それを追って外に出る一行。そこで見たのは、巨大なロボットとその上に立つトレムの姿だった。
 蕩々と語るトレム。どうやらデクストラのせいにして、超絶装甲騎兵レベ(自称)を暴れさせ竜をも退治する武器を手に入れたかったらしい。そしてトレムは高らかに叫んだ。

 捧げよ聖痕。今宵は殺戮の宴なり。

 ここでプレイヤーのファンタスマが試行錯誤。「入れ替え」という技能で、敵と鳥、あるいは雲と入れ替えられないかと考えていたのである。これはRLによって却下。
 トレムは「行け、鉄球大暴走!」とレベに命じた。レベは「ミ゛」と応じてつっこんできたが、これは∵天真∵でキャンセル。
 そして運命のファンタスマの行動順が回ってきた。

 ファンタスマは考えた。鳥や雲とは入れ替えられない。トレムはレベの上にいるので接敵できない。ならば自分とトレムを入れ替えれば、仲間が袋叩きにしてくれるのでは?
 そして唐突に気がついた。これがこの日のセッションの方向を良くも悪くも決めてしまったと言えよう。

 「トレムとレベを入れ替えます」

 トレムの上に立つレベ。逆にするとレベの上に立つトレム。トレムは人間。レベは巨人。巨人に乗られた人間の行く末は、言わずともがなである。
 RLはたまらず生き返ろうとする、それを∵活性化∵でアスタシアの∵天真∵を復活させてもらい阻止しようとする。それを∵天真∵でうち消そうとするトレム。アスタシアは∵活性化∵で仲間の∵活性化∵を復活させて自分の∵天真∵を復活させてもらうという遠回しな方法でさらに阻止しようとする。が、結局トレムがもう一度∵天真∵を使用して何とか死ぬのを回避したのであった。
 が、これも結局は悪あがきに過ぎなかった。仲間のファンタスマは別の仲間に懐の鳥を飛ばしてもらうという手段に出て、「1が出たらその鳥はトレムの真上に飛んでいったことにしよう」とRLがサイコロを振ったところ出目は見事に1。早速「入れ替え」で鳥とレベを入れ替え。当然レベはトレムの真上に入れ替えられるのだからそのまま下に落下。哀れトレムは再びレベの下敷きになったのであった……。
 レベは虫の息で「このスイッチを押せばレベは爆発する」と言ってスイッチを押してしまう。何とか倒して爆発は未然に防いだものの、最後のあがきで仲間が一人死んでしまった。

(この時、「入れ替え」を考案したファンタスマは、「高速言語+読経」で成仏させようとする。結局普通に復活させましたが)

 デクストラは領主にドラゴンマッシャーを引き渡すことに同意。一行は馬車にドラゴンマッシャーを乗せて領主の元へと戻り報酬を手に入れたのであった。

感想:
 とにかく面白かったの一言につきます。何がって、RLには悪いのですがシナリオじゃなくてやりとりだったと思います。仲間内故の、相手のことを分かったボケやつっこみが飛び交い、上手くセッションをもり立てていたように思います。ちょっと度が過ぎたような気もしますので、そのあたりのバランスは次回への課題としたいと思います。
 Blade of Arcanaはシナリオが作りにくいという印象があります。その印象は相変わらずぬぐい去れていないのですが、たまにはこういう純粋王道ファンタジーもありかな、と思いました。

 惜しくもレポートにに絡められなかった面白い出来事。

(領主に向かって)「対竜用の武器を持ってきました」
「え、対劉[月缶系]の武器?」(注:[月缶系]は1文字としてお読み下さい。劉[月缶系]は三国志の登場人物です)
「いや、劉[月缶系]相手にわざわざ専用の武器はいらないだろ……」

(ドラえもんの節で)「そーらーをじゆうにー とーびたーいかい?  ぼく、ふぁんたすまー!」
つまりは、空を飛んでいるものと入れ替えちゃうって事です。飛ぶと言うよりは落ちるだけなのですが……。

 入れ替えとアクシスの∵拡大∵を組み合わせると、500人の軍勢に攻められても大丈夫。

 断崖絶壁の上から下に向かって石を投げる → 上記の方法で500人の軍勢と入れ替える → わらわらと落ちる軍勢 → 「人がゴミのようだ!」(by天空の城ラピュタ)

 断崖絶壁の上から下に向かって石を投げる → 「ほーら、取っておいで!」

 空を飛ぶ鳥と入れ替える → 「空の旅を楽しみたまえ」

 領主の元へと戻る一行。悪事千里を走るの言葉通り、街の人は皆入れ替えで倒したことを知っている。子供が一行を見て母親に告げる。母親曰く「見るんじゃありません!」 あながち一笑に付せないあたりが怖い。

 一行はきっとこの後二つ名を冠せられることになるに違いない。それも、「圧殺の」「入れ替えの」「ロケットダイブ」といった類のものが……。

 いつもに比べてずいぶんと長くなってしまいました。最後までお読み下さった方、ありがとうございました。お疲れさま。

 そうそう、良い子はマネしないでね。

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