TRPGを始めたきっかけ

 あれは中学校1年の終わり頃だったと思います。当時私はPCーVAN(今のBIGLOBE)にちょくちょくアクセスしていたのですが、そのオープニングでとある宣伝を発見しました
 「ソードワールドRPGのプレイヤー代理募集」  「ソードワールドRPG」とはその後日本でもっとも普及した(と思う)TRPGですが、その当時はそれほど有名というわけでもありませんでした。
 とりあえず代理希望を出してから、本屋さんにルールを買いに行きました。当時箱入りの大型なものが多かった中で、ソードワールドRPGは本屋さんで手軽に買える書籍タイプだったのです。
 手に入れたらやってみたくなるのが私の性分。
 2年生になってしばらくしてから、中学校の部活仲間5人を集めて実際に遊んでみたのでした。正直言って、このときのこのプレイがその場に居合わせた全員の人生の方向性を変えてしまったと言っても過言ではないと思います。
 以後、月に1〜2回のペースでTRPGを遊び続けました。
 私の中学校生活は、「軟式テニス部」と「TRPG」がその9割以上を占めていたような気がします。

 TRPGは、みんなで一つの物語を作っていくものだと私は考えています。つまり、ゲームマスターと呼ばれる進行役の人がある程度のシナリオを作り、プレイヤーと呼ばれる演技者がそれを演じるのです。とは言っても、プレイヤーにはシナリオが知らされていませんし、それを知る必要すらありません。プレイヤーは、あくまで自分がその状況に置かれたらどうするか、どうしたいかを追求していけばよいのです。つまり、TRPGはシナリオのないドラマなのです。
 そこでふと思ったのが、「プレイヤーに演じてもらうのも楽しいけれど、全部自分で作るのも楽しいのではないだろうか」ということです。TRPGはプレイヤーがどのように行動するかが分からないので、みんなで作り上げる楽しみがあります。しかし逆に言えばその人の性格などに大きく左右されるため、「こういう台詞を言って欲しい」と思ってもそれを強要することはできません。逆に、全部自分で作ってしまえば、意外性はないものの自分の思い通りになります。
 そう思ったときに、私は自分にできることを考えてみました。
 まず「絵」ですが、これは無理です。私は抽象画を描くことに関してはまぁいいのですが(美術の作品が何かの賞を取ったこともあります)、アニメや漫画のようなものを書くのはどう考えても無理でした。もちろん、動画に関しても同じです
 次に「文」ですが、これならできるかな、と思いました。小学校6年生の頃、壁新聞に連載小説(と言うのもはばかられるほど幼稚なものですが)を書いていたこともありましたし、親に漫画を一切買ってもらえなかったため、小説はずいぶん読みあさっていたからです。
 そんな理由で私は小説を書き始めました。もっとも、完成した作品はほとんどありませんし、独りよがりな面も否めないのですが。
 私にとって、TRPGと小説は切っても切れない関係にあります。  この先TRPGをやり続ける限り小説は書くでしょうし、小説を書き続けるためにはTRPGをし続ける必要があると思います。

 

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